2017年4月4日火曜日

旧グッゲンハイム邸


 森本アリ 
『旧グッゲンハイム邸物語 未来に生きる建築と小さな町の豊かな暮らし』 ぴあ 1500円+税

 神戸市垂水区塩屋町、かつて居留地で働く外国人の住宅や別荘地として発展した。狭い平地には国道、JR、山陽電車が並走している。

……海と山の間が非常に狭い地形にあり、車が通れないような(そして傘を差したままでは人もすれ違えないような)細い道に商店が並ぶ、昔ながらのとても小さな町です。南は海に面しており、すぐ北側は山なので、どこを歩いても坂!坂!坂! その分、町を歩けばいろんなところから海が見えます。》

 旧グッゲンハイム邸は、1909年に建てられたドイツ系アメリカ人貿易商の邸宅
 多くの洋館が住む人もなく荒れ、挙句解体され、マンションや駐車場にされている。旧グッゲンハイム邸も老朽化し、売りに出されていた。
 
 森本は塩屋育ちの音楽家、2007年に家族でこの洋館を購入し、管理人となり、引き継いだ。本書は、引き継ぐまでの過程、その後の再生を報告し、さらに塩屋地域の人たちとまちづくりを考えていく。
「旧グッゲンハイム邸」は修復を続けながら、音楽イベント、カルチャー教室、パーティーなど多目的貸しスペースとして運営している。敷地内の長屋では約10名がシェアハウス生活。世界中から「ちょっと変わった音楽家たち」がやってきて、演奏し、食事をし、泊っていく。
http://www.nedogu.com/
 
(平野)
 サマセット・モームの短篇「困ったときの友」に「塩屋クラブ」「垂水川」が登場する。楽しい話ではない。貿易商が落ちぶれた男に仕事をやる条件として遠泳をさせるが、男は溺死。
『コスモポリタンズ』(ちくま文庫所収)。