2020年7月30日木曜日

遠い声


7.25  午前中臨時出勤。福岡さんからメール、埼玉の岩さん来神で飲み会案内。毎年5月の出張仕事がコロナで延期になっていた。でもね、参加見合わせ返信。まだ飲んで騒いでとはいかない。ごめんなさい。

7.28 臨時勤務が続いて、平日の休みにしておくことは多々ある。内科診療、元町事務局原稿届け、平日割引の散髪も。図書館、本屋さん、買い物。ヂヂ、わりと忙しい。

通勤・休憩本は、瀬戸内寂聴『遠い声 管野須賀子』(岩波現代文庫)。明治末のアナキスト闘士・管野須賀子の29歳の生涯を綴る伝記小説。テーマは恋と革命。須賀子ら4名が天皇爆殺を計画した。計画段階で発覚、逮捕。幸徳秋水他、計画とは無関係の社会主義者・無政府主義者たちまで捕えられ、24名に死刑判決(のち12名は無期懲役に減刑)。見え見えのでっち上げ「大逆事件」である。
 
 

ちょっとした合間は、三月書房さんのブログで知ったグレゴリ青山『京都深掘りさんぽ』(小学館文庫)、『グレさんぽ』(小学館)。イラストエッセイとかコミックはいつでも読めると思ってついつい後回しになる。溜まる。京都に行きたい。
 
 

睡眠導入本は開いてすぐ眠りに入る。恥ずかしくて公開できる状態ではない。後日。

(平野)

2020年7月23日木曜日

海の本屋アーカイブ


7.19 燃えないゴミ3袋用意。他人事みたいだが、いらない物が家中にたくさんあるんだろう。最大最多は私の本かも。いやいやそれよりお前や~! と天の声がすぐそばから聞こえる。
 
 7.20 前日の「朝日歌壇」(7.19)より。

〈新聞の下半分の図書雑誌の広告読みて一日終りぬ (岡山市 村上順子)〉 
 
 孫がLINE電話でハッピーバースデイを歌ってくれる。67歳ヂヂはそれだけでうれしい。自作歌(デタラメ)もあって、才能豊か。ヂヂバカちゃんりん~。



SNSでメッセージくださった皆さん、ありがとうございます。

 7.21 仕事は臨時出勤が増えるようだ。働くことに不満はないし、勤務時間も短いけれど、慣れない場所は緊張。

7.22 見知らぬ海外在住の方からメール。恩師である中国文学者の業績をまとめる作業のなか、「海の本屋アーカイブ」をご覧になって連絡してくださった。19814月「読書アラカルテ」で小林店長がその先生の翻訳詩を紹介している。「アーカイブ」がお役に立っている。

「神戸元町『海の本屋』アーカイブ」

本は、桂米朝『上方落語ノート 第四集』(岩波現代文庫)。江戸末期のネタ帳考察、「算段の平兵衛」考、色物と言われる人たちの名人芸、吉本興業元社長との対談など。
 
 

(平野)

 

2020年7月19日日曜日

心友


7.17 通勤読書はリトルプレス『些末事研究』第5号「荻原魚雷 方法としてのアナキズム」(発行者 福田賢治)


荻原魚雷は古本エッセイで知られる。ライター生活30年、頑丈な根っこを持っている。現在、自身のブログ「文壇高円寺」他、ネット連載が2本、新聞連載1本。
 
 7.18 午前中図書館。工藤美代子『恋づくし 宇野千代伝』(中央公論社、2015年)野崎泉・編『戀愛譚 東郷青児文筆選集』(創元社、2018年)貸し出し。




午後、買い物。花森書店に本と雑貨を買ってもらう。いつもの泣き落とし、「孫の魚代、お情けを~」。ボストンバッグ2分とガラス食器。でもね、本棚から抜いても床に置いた本収納できず、積ん読のまま。

「映画批評」第19号(同編集部)をいただく。感謝。まだ映画をゆっくり楽しめない。

読書は、小川荘六『心友 素顔の井上ひさし』(作品社)。井上ひさし、没後10年。大学で出会い、54年付き合った友だからこそ知る作家の素顔。井上学生時代の「ノート」収録。
 
小川は思う。井上はいま何処に、天国か地獄か?
〈「天国や極楽は善良で真面目な人が行くところだから、面白い人間が集まっているのは地獄らしい」/ということは、きっと井上地獄にいるな。(後略)〉
 
 
平野)

2020年7月15日水曜日

本屋さんしか行きたいとこがない


7.12 「NR出版会新刊重版情報」78月号着。連載「本を届ける仕事」は、くまざわ書店・板垣幸恵さん(福島県須賀川市)。彼女の先輩で以前寄稿された書店員さんの病死を知る。NR出版会のサイトで読める。


「朝日歌壇」7.12より。
〈毎日を定休日とするお知らせが貼られた朝の三月書房  (西宮市 佐竹由利子)〉
 ブログ「三月記」を見ると、610日をもって営業を終了、通販はしばらく継続の由。


 7.12 久々雨上がり、家中の窓を開ける。

7.13 大雨。今週は有給休暇を取るので3日連続勤務なしのはずが、休日はさんで臨時出勤2日となった。働き方改革で有給取得促進なのだけれど、人手は不足。

7.14 午前中大雨、明石西部のマンション勤務。お昼前に雨上がる。
 本は、夏葉社・島田潤一郎『本屋さんしか行きたいとこがない』(岬書店、1000円+税)。「本の雑誌」「望星」連載他、本屋めぐりと読書エッセイ。全国あの町この町になじみの本屋さんがいっぱいある。本・本屋さんとの出会い、思い出、書店員とのおしゃべりも。コロナで今訪問は無理なんでしょう。
 版元は夏葉社の新レーベル、郷里の「室戸岬」から命名。売上スリップの裏には「アマビエ」コロナ平癒祈願。大手の書店はほとんど扱っていない様子。セレクト系の本屋さんや古本屋さんの方が積極的に販売。私は京都「古書善行堂」さんに送ってもらった。


 
(平野)

2020年7月11日土曜日

色ざんげ


7.4 雨が降ります、雨が降る。
 今年神戸はその程度だが、一昨年灘区山手で土砂崩れが起きた。集中豪雨、毎年どこかで大きな災害が発生する。
 
 図書館、神戸ふるさと文庫コーナーで「宇野千代」調べ。千代が東郷青児と同居中、彼の話をもとにした作品「色ざんげ」。主人公が若い新婚の妻(彼は前妻とも若い恋人とも別れたばかり、妻にも恋人がいた)を探しに、神戸に来る。「諏訪山ホテル」が出てくる(実在しないが、モデルはあるのだろう)。兵庫・神戸文学史や文学散歩の本で「色ざんげ」に触れているのは宮崎修二朗『環状彷徨』(コーべブックス)くらい。「ふるさと文庫」にはこの作品(講談社版『現代文學全集71 宇野千代・岡本かの子』に収録)を置いてある。本書は館内閲覧のみなので、書庫から『宇野千代全集 第三巻』(中央公論社、1978年)を借りる。月報に東郷が寄稿。

「色ざんげ」が東郷の体験を参考にしていると言っても小説。でもね、彼の女関係はハチャメチャ、である。千代が彼と接触したのは、新聞連載小説に情死場面を書くための取材なのだが、すぐに惹かれあう。

 


ヂヂバカちゃんりん、孫の自己流ストリートダンス動画で和む。散歩中、突然踊りだしたらしい。ご陽気。

 7.9 今週は休みが1日あって労働日が少ないのだけど、臨時で明石西部のマンション勤務。遠いうえに出勤時間が早い。物件ごとに契約が違う。いつものマンションより大きく新しい。仕事は午前中のみで終了。
 帰宅してギャラリー島田のDM発送。いよいよギャラリー企画展再開。詳細は下記。今日もおみやげあり、スタッフさんの自家栽培トマト。
 家に戻ったら、ちょうど孫からLINE電話。外から帰ったら手洗いせよと指令。きっと自分も母親に言われているのだろう。ヂヂ、もちろん従う。

 本は、桂米朝『上方落語ノート 第三集』(岩波現代文庫)。「上方芸能」連載、単行本初版は1991年、青蛙房より。
 古い寄席プログラムなどの資料から、先輩芸人の記録や自身の記憶を語る。昔の芸を現代に繋げるか、活かせるか、自分の芸を磨きつつ、考え、実践してきた。同時に自らの老いを悟り、大作上演断念を告白する。「もはや新しい感性を盛り込んでいくことは難しい」と。米朝65歳頃の決意、潔し。


 よそ様のイベント

 ギャラリー島田特別企画展 未来圏から! 

 


7.18(土)~8.19(水) 11001800 金曜日休廊

詳細はギャラリー島田サイト。


(平野)

2020年7月4日土曜日

〈美しい本〉の文化誌


 6.30 GF「百窓文庫」のの様からメール。「古書片岡」記事毎日新聞神戸版に掲載。電子版で一部読める。

 
 雨の中、予約時間に歯医者さん行って、本屋さん。注文品と、店頭で発見した本。私の情報網は狭いので、本屋さんが頼り。買い物がてら「神戸元町みなと古書店」を覗いたら、「花森書林」さんが店番。お店は72日(木)再開の由。
 午後、出直して元町事務局。実は原稿忘れて、一旦帰宅。念のいった慌てもん。

 7.1 ヂヂバカちゃんりん、孫の写真集到着、親戚限定。2歳の誕生日から半年ぶんくらいと孫が描いたヂヂババ似顔絵。おまけは「メトロミニッツ」というフリーペーパー、東京メトロ沿線案内だが、本屋さん紹介あり、神戸観光特集あり。

 


 7.2 「古書片岡」店主から電話。SNSで著書紹介あり、ご本人は電脳生活とは無縁、お客さんが見せてくれるそう。新聞書評に期待。

■ 臼田捷治『〈美しい本〉の文化誌 装幀百十年の系譜』
Book&Design  
 3000円+税 
 本を作るために著者がいて編集者、校正者がいて……、でもね、それだけでは「本」じゃない。「装幀」という作業が必要、大事。  
 書物が和本から洋本になり、保管の仕方、書棚の並べ方が代わった。活版印刷と製本技術が導入され、芸術表現で装う装幀文化が生まれた。本の形、装い、絵、文字の書体、紙の質、紙面の構成・配置、印刷、しおり、花ぎれ……、すみずみまで心を配る。
 専門のデザイナーが活躍しているし、画家や版画家が担当したり、著者自ら、ということも。編集者にも装幀する人がいるし、著者に縁ある芸術家・文化人が手がけることもある。「装幀室」を持つ出版社もある。
 装幀から見る日本出版文化史。著者は雑誌『デザイン』(美術出版社)の元編集長。

 

 新聞記事は「朝日新聞」6.27読書欄。
 本を手に取る喜びは、芸術作品のような限定本にも、シンプルな本にもある。著者、内容が一番だが、装幀に引かれることもある。
(平野)