2021年7月22日木曜日

小さな声、光る棚

  7.18 「朝日俳壇」より。

〈立ち読みを咎めぬ店主夏帽子 (日田市)石井かおり〉

 姉孫はママと映画「アンパンマン」。家人が妹孫と留守番してくれるので、知事選挙行って、図書館。

 午後、20日の我が誕生日を前に家族がケーキで祝ってくれる。妹がちょうど赤ん坊を見に来た。姉孫の「ハッピーバースデー」、うれしいヂヂバカちゃんりん68歳。



 7.20 ママと姉孫が誕生日の花、姉孫の手紙も。プレゼントいろいろ、ありがとう。みんななかよく暮らしてちょうだい。

 

 東京荻窪の〈本屋Title〉から本2冊届く。季節の読書案内添えて。



 『山口昌男 本の迷宮』 編集・発行 本の迷宮企画室 

4500円+税

 文化人類学者・山口昌男(19312013年)の蔵書整理時の記録写真。

……その国は書物が住人で、本同士が響きあい、訪ねる者に本が呼びかけてくる。圧倒的な国土、そこでざわめく無数の書物たち。本だけではない。本になる前の原稿・資料、手紙に仮面。そして、書斎で繰り広げられる会話、笑い、全てが渾然一体となって本の宇宙が成立し、山口先生の学問が生成する魅惑的な舞台がそこに広がっていた。〉

 製本手作業、限定100部。

 辻山良雄 『小さな声、光る棚 新刊書店Titleの日常』 

幻冬舎 1600円+税

 毎日本屋の店頭で考えること。お客さん、本、イベント、コロナ禍対応など。

 辻山は新米時代に自分の話す声が小さいことに気づく。元々声が小さいうえ、自分の仕事に自信がなかった、と思う。ある出来事で相手を怒鳴ってしまい、それを境に仕事に対する意識が変わった。書店員としての責任を自覚した。「大きな声はいざというときにとっておけばよい」。

 本にも大きな声の本と小さな声の本がある。自分の店に並んでいる本は声が小さいけれど、それぞれ何ごとかつぶやいている、と思う。

〈誰かの真似ではなく、その人らしく語られたものであれば、人は自然とその声に耳を傾けるようになる。/それは店を続けていくあいだ、わたしのなかに芽生えた信念でもあるが、一冊の本の持つ微かな声を聞き逃さないようにすれば、その店に並ぶ本も光って見えてくる。〉

齋藤陽道撮影の写真掲載。Titleで本書を購入するとそのポストカード特典あり。

(平野)

2021年7月17日土曜日

ちいさな ぬくもり

  7.15 ママと妹孫検診日。家人と姉孫買い物、私は別行動で用事をすませ、全員集合してお茶。妹孫はおへそに絆創膏。

 7.17 ヂヂが妹孫の相手をすると姉孫が怒る。スキを見て、本を置いて写真。ヂヂバカチャンリン。


 

 絵 ディック・ブルーナ  文 森本俊司

『ちいさな ぬくもり  66のおはなし』 BlueSheep 1300円+税

「誕生65周年記念ミッフィー展」を楽しむための副読本。ブルーナの人柄、絵本制作のエピソードなど。ブルーナの暮らしと思い出が絵本になっている。

〈日常のなかからすくいとられたちいさなぬくもりが、そっと注ぎ込まれているのです。〉

 

 紀田順一郎監修 荒俣宏編

『平井呈一 生涯とその作品』 松籟社 2400円+税



 平井呈一(本名程一、19021976年)はラフカディオ・ハーンの翻訳など幻想怪奇文学の分野では知る人ぞ知る存在。愛書家の紀田と荒俣が名を連ねる。

呈一は佐藤春夫、永井荷風に師事するも、女性関係、借金、荷風作品偽筆偽書で破門、文壇から排斥された。

 本書では未発表作品他、随筆、俳句を掲載。呈一の生涯と文学活動を詳細に取材する。

  私はまだ年譜を読んでいるところだが、父親と兄の経歴も興味深い。

父は川上音二郎や尾崎紅葉と関係が深い。和菓子屋(現在も存続する名店)を創業。

双子の兄は家業を継ぎ、父の借財を完済した苦労人。養子に出された呈一と共に河東碧梧桐に入門。芥川龍之介とも親しく、彼の葬儀では葬儀委員長を勤めた。

(平野)

2021年7月13日火曜日

ボロ家の春秋

 7.10 前夜遅くパパ来神。姉孫は早朝からパパにべったり。声の調子もいつもとちがう。ヂヂババは代わりができない。

 ヂヂはおかげで(?)次回の元町原稿に取り掛かれる。

「みなと元町タウンニュース」更新しています。

https://www.kobe-motomachi.or.jp/motomachi-magazine/2021/07/03/townnews347.pdf

 7.11 妹孫、神戸での生活が長くなり、近所の神社でお宮参りすることに。晴れ着の用意なく、ご近所さんがおくるみを貸してくださる。

 晴天、お参り家族多数。妹孫、社務所で待っている時にお尻から大きな音。豪傑。いつもにぎやかな姉孫、今日はおとなしい。えらい。

 朝日新聞に装丁家・イラストレーターの桂川潤訃報。

 


 7.12 特定の本屋さんでしか入手できない本がある。いつ読めるのかわからないけれど注文して、また積ん読が高くなる。

 

■ 梅崎春生 『ボロ家の春秋』 中公文庫 900円+税



 表題作で1955年第32回直木賞受賞。他同賞候補作4篇、随筆4篇。

 梅崎は第一次戦後派のグループだが、作品は戦争体験、犯罪、ユーモア、と多彩。

解説・荻原魚雷。

野呂邦暢のエッセイも掲載。「野呂」のペンネームは梅崎作品の登場人物からだった。

(平野)

2021年7月7日水曜日

梅雨積ん読

 7.3 姉孫と図書館おはなし会。本日はボランティアグループの皆さんによる紙芝居。

 朝日新聞連載小説、池澤夏樹「また会う日まで」の主人公は海軍水路部・秋吉大佐。航行のための測量、天文・気象研究。1941(昭和16)年日米開戦の場面。同年夏、真珠湾攻撃のため山本五十六から周辺海域の潮汐の精密な数字、地形資料を求められる。

永井荷風が同年9月の日記に、国民の間で開戦の噂が広まっていたことを記している。国民は「熱狂」し「興奮」していたが、既に食糧不足。荷風の風流な散歩も食糧調達のためになる。空襲を想定した防空演習は33(昭和8)年から始まっていた。川本三郎「荷風の昭和」(「波」新潮社7月号)より。

424月にはアメリカの爆撃機が本土5都市に爆弾を落としている。池澤「また会う日まで」より。

7.4 「朝日歌壇」より。

〈棚に本積まれ積まれて黴の部屋 (名古屋市)中野ひろみ〉

7.6 かかりつけ医でワクチン接種1回目。当院65歳以上の予約は71日開始だったが、2日神戸市新規受付停止により、現在予約はストップしているそう。政府は接種1100万人達成とか職域接種とか言いながら。

姉孫と接種ごっこ。両腕を6回ずつつねられる。ヂヂバカちゃんりん。

7.7 大雨の七夕。旧暦で会おう織姫彦星。

姉孫はママとたんざくを書いた。「いっぱいたべるよ あそぶよ」。

 絵本は、『うたの絵本6 はる・なつ・あき・ふゆ』初山滋・絵(リブロポート、1985年)

 


 積ん読に雨漏ってくる早う読め (よ)

 


(平野)

 

2021年7月3日土曜日

ユリイカ 安野光雅

 7.1 近所の診療所でコロナワクチン予約。大勢並ぶのかと予想していたけど、案外少ない。今月中に2回接種予定。

 姉孫と遊んではケンカ、そのくり返しで毎日終わるヂヂバカちゃんりん。

 花森書林店頭台で、宮崎修二朗(19222020年)『吉備路』(保育社カラーブックス、1972年)。郷土文学研究者。元々新聞記者、取材に歩く人。岡山の話ながら神戸・兵庫ゆかりの作家が登場。

 


 元町原稿を届けて、本屋さん。探す本3冊、見つけたのは1冊、333厘。

 

 「ユリイカ7月臨時増刊号 総特集*安野光雅――19262020」 青土社 

2200円+税

 「annoさん」 谷川俊太郎

annoさん/あなたはいつもここにいた/私たちの傍らに/私たちの歳月とともに(後略)


 

 7.2 PR誌「ちくま」7月号。前号から連載に加わった蓮實重彦、吉見俊哉に、おなじみ斎藤美奈子、岸本佐知子、穂村弘、鹿島茂、ブレイディみかこ、最果タヒ。小説の恩田陸、窪美澄、ノンフィクション河合香織、お腹いっぱい胸いっぱい。ゲストも多彩。

 同じく「波」7月号、筒井康隆の掌篇(ドタバタじゃない)、北村薫の短篇(「本の小説」)がうれしい。連載の川本三郎荷風評伝も。

 どちらも大きな本屋さんで無料配布してくれるけれど、数に限りがある。定期購読の価値あり。


 

(平野)職場トイレにて。ペーパーはロールの芯のみ。あせる。たまたま持っていたポケットティッシュに助けられる。捨てる紙あり、助けてくれる紙あり。ウンが良い。