2021年10月26日火曜日

寄席楽屋帳

 10.21 図書館休館日、カレンダーにメモしていたからよかった。もう少しで行くところだった。

 午後、ギャラリー島田のDM作業。来月も5人の展覧会あり。

BIG ISUUE 417号」。神戸の鳥瞰図絵師・青山大介登場。



夜、孫とLINE電話。妹孫の寝返り姿を見て喝采。姉は妹を舐める。妹叫ぶ。就寝前の大騒ぎ。ヂヂバカちゃんりん。

10.23 期日前投票して、花森書林に雑誌を引き取ってもらう。人出多い。

10.25 姉孫4歳誕生日の動画届く。先週末は妹孫お食べ初めの会。姉妹すくすくのびのびで、喜ばしい。ヂヂバカチャンリン。

 

 三遊亭圓生 『六代目圓生コレクション 寄席楽屋帳』 岩波現代文庫 

1520円+税



 昔懐かしい寄席風景、歳時記、楽屋のしきたり、木戸銭、給金の話。噺家芝居の迷優、迷演技。自身を含めた落語家・落語界の移り変わり、落語協会、ラジオ放送、レコード吹き込み、先代追善興行、全集出版の苦労、芸術賞他受賞の栄誉など。

 全集出版について、売れないと版元(青蛙房)に迷惑をかける心配したが、覚悟をした。

〈さて、やり出してみると、実にどうも難しいもんで……なにしろ、あたくしどもは口うつしに覚えてしゃべっておりますから、いざ文字にしようとすると、もうわからないことだらけ。ただべらべらしゃべっているあいだはそんなことはなかったが、書かれてみると、気になるところが出てまいります。〉

 文言の出典が不明。専門家もわからない言葉がある。口伝が繰り返されるうちに発音や言葉自体が変化したのかもしれない。

 1960(昭和35)年12月に第1巻出版。18ヵ月かけて全10巻刊行。順調に版を重ねた。

(平野)

2021年10月21日木曜日

定形外阿佐ヶ谷偽本

 10.19 妹孫は寝返りをうったそう。めでたい。姉が叫ぶと、妹も反応して叫ぶ。賑やか美人姉妹。ヂヂバカチャンリン。

 午前中、図書館で「若杉慧」調べ。午後、買い物。「BIG ISSUE」販売員さん見かけず、次の機会に。本屋さんで注文品受け取り。さあさあさあ積ん読 積ん読本も読まねば。

 10.20 冷えてきた。先週は暑いと言っていなかったか? 自分でわからない


 堀江敏幸 『定形外郵便』 新潮社 1800円+税



小説家、フランス文学者。芥川賞、三島賞などなど有名な文学賞を数々受賞。本書は「芸術新潮」連載のコラム。

芸術の話もフランス文学も、私の知能教養では追いつかない。この人の本を読んだことがないのに紹介して厚かましい、と思う。厚顔無恥とはこのこと。書名に惹かれて、としか言えない。わずかに作家のことや著名人の追悼文、古本の話なら、なんとかついて行けそう。島崎藤村の逸話、漱石と弟子たちのことなど。

「うごうごする言葉」。「うごうご」という副詞のこと。漢字だと「蠢々(春に虫二つ)」。うごめくさま、ぐずぐず・うじうじしたさま、二つの意味あり。

 堀江は時計がわりにテレビの子ども番組「ウゴウゴルーガ」をつけていた。

〈ウゴウゴくんの棒立ち感とルーガちゃんのせわしない才気を適度に分散させ、あいだに曖昧な寸劇を挟んでいく構成は、当時の私の微妙に萎えた気分と、一日の始まりの「うごうご」した、明確な行動を起こそうとしない負の意思に、とてもしっくりくるものだったのだ。〉

 後に「ゴウゴウガール」をひっくり返したもの、と知って困惑する。「go go」だった。 

 堀江が「うごうご」の用例として思い浮かべるのは、内田百閒の日記の文章。漱石死後、百閒が全集校閲のため書斎を入ったとき、師晩年の姿を思い出す。

「書斎へ這入つて見たら、薄暗い陰の中に外の樹の葉の色が染んでゐる其部屋の中で、きびらのくちゃくちゃになつた著物を著て、汚い包みの動く様に先生がうごうごしてゐた」「きびら」は黄帷子。

〈百閒は、すでに死の気配を漂わせている先生の姿を垣間見てしまったのだ。真の「うごうご」は、そうした不気味な明視でしかとらえることができない。夢に似た記憶を黄疸のように表象させる百閒の言葉の微動にこそ、「うごうご」はふさわしい。〉

 

 青柳いずみこ 『阿佐ヶ谷アタリデ大ザケノンダ 文士の町のいまむかし』

 平凡社 2400円+税 2020年刊 イラスト・岡崎武志



著者はピアニスト、文筆家。阿佐ヶ谷育ち、現在も暮らす。

祖父はフランス文学者・青柳瑞穂。井伏鱒二ら当地の作家たちと親交、大酒飲んで遊んで騒いだ。上林暁、外村繁、小田嶽夫、太宰治……、著名文学者・編集者たちの貧乏時代の微笑ましいエピソード。でもね、その裏には家族の苦労があった。

本書は過去と現代の阿佐ヶ谷事情を紹介。今も文化芸術に親しむ人たちが多く住む町。元気活気あるお店もたくさんある。文学関係者、ミュージシャンが酒飲み多数というのはよくわかる。意外なのはクラシックの人たち、よく飲むらしい。とはいえ、当然コロナの影響ありでしょう。

 書名は井伏が訳した漢詩「田家春望」から。小田嶽夫の同名随筆があるそう。

 本書読了後、者が「図書」に〈響きあう芸術 パリのサロンの物語〉連載中であることに気づいた。

 

 高木亮 『きりえや偽本(にせぼん)大全』 現代書館 2000円+税



 著者は1971年生まれ、きりえ画家。2008年から「偽本シリーズ」制作、大学図書館や書店で展覧会開催。

本書は名作文学パロディ。幻のブックカバーをきりえで作製。あらすじ、解説も付す。「罪と獏」「二兎物語」「長靴をかいだ猫」などほとんどは元本がすぐわかる。「アーム状」「最低2万はいる」「だいだ赤おに」「つかる」などはちょっと考えた。

採用を見合わせた作品もあり、その訳も公表。元本の紹介もしてある。

 

(平野)双葉社の『いしいひさいち選集』が各巻にパロディの題名をつけていた。「存在と無知」「椎茸たべた人々」「垢と風呂」「フラダンスの犬」など大笑いした。

2021年10月19日火曜日

微塵世界

 10.13 有給休暇取得。図書館、「若杉慧」調べ。小説4冊借りる。戦前の本もあり、いずれも貸し出し不可でも文句は言えない貴重本。単行本3冊は若杉がある詩人に献呈したもの。詩人の死後、ご遺族が寄贈。

 注文していた古書到着。若杉の芥川賞候補作「淡墨」掲載の雑誌。

 10.15 朝日新聞に製本工芸家・栃折久美子訃報。本を持っているけれど、すぐに取り出せない。ご冥福を。

 古書愛好家タカさんからハガキあり。電話すると、大阪天神さんの古書市探索中の由。

 10.18 通勤電車内、降車駅が近づき、PR誌をカバンにしまいながら向かいの座席を見ると、男性が文庫本を読んでおられた。カバーなしだったので、髙田郁の『あきない世傅 金と銀十一』(ハルキ文庫)とわかった。頭の中で、拍手パチパチ。

作家・山本文緒が今月13日に亡くなっていた。海文堂の福岡店長がずっと応援していた。

 

 若杉慧 『微塵世界』 モダン日本社 1942(昭和17)年




 図書館本。

 本作は第15回芥川賞予選候補。

大正初め、舞台は広島県の山村。寺の跡取り・一乗、下女の子・信楽(しんぎょう)、医者の娘・笑美子、医者が引き取った孤児・伊太ら、少年少女の小学校生活、中学受験、将来の進路。スクール・カーストや受験競争は昔から存在した。

子どもたちに夢や希望があり、まだこれから探す子もいる。それぞれ適性があるし、気持ちが大事。勉強には体力も必要。個々に合った道がある。大人の思い通りにはいかない。

 書名は浄土和讃「十方微塵世界の 念仏の衆生をみそなはし~」から。阿弥陀如来はすべての人を見ているよ。

 他に、「文具店『桃太郎屋』」(多分神戸小学校近辺。文房具店オババの商売奮闘をユーモラスに)、「ある成長」(山村の子沢山生活)、「志賀直哉氏訪問記」(結婚を両家の親からは認められない。いきなり文豪を訪ねて苦悩告白)収録。

 装幀、荒井龍男。190455年、大分県出身、洋画家。

(平野)

2021年10月13日水曜日

愛の静脈

 10.9 図書館で若杉慧の小説について相談。よその図書館の蔵書などを調べてもらったが、検索に限界あり。お時間取って恐縮。司書さんと古本愛好家・タカさんの話。

 午後花森書林、「川上澄生」展の図録。

「川上澄生――その全貌展――」(主宰栃木県立美術館・朝日新聞社、昭和4944日~9日、大阪梅田阪神百貨店)1895年~1972年、横浜市生まれ。英語教師、詩人、版画家。南蛮風の版画はよく知られる。

詩人としては、元町原稿関連で調べていてわかったことがある。1923(大正12)年、北原白秋主宰「詩と音楽」で竹中郁らと共に「新進十一人集」に推薦されている。

 


 花森店主に竹中出版記念会記事発見をお知らせ、ちょこっと自慢。上記・タカさん棚出現、蔵書販売中、ここでもタカさんの話。

 

 図書館の皆さんに面倒かけるのも気が引ける。Web「日本の古本屋」で若杉関連を検索すると、探求本2冊が出ていた。初めて注文。

 

 10.10 落語家・柳家小三治逝去のニュース。私、生で拝聴したのは1回だけ。同世代の人たちと比べて、力みがないというか飄々とした人柄。昔、雑誌でバイクやオーディオなど趣味の紹介記事がたびたびあった。覚えているのは、高座にCDと再生器械を持ち込んで、わざとCDに傷をつけて無傷のものと音質テストをしたこと。そういうことも「まくら」にした。ご冥福を。

 

 注文の古書1冊到着。

 

 若杉慧 『愛の静脈』 講談社 1955 (54年「婦人倶楽部」連載)

 装幀、御正伸(みしょう しん 191481年)、洋画家。本の装幀・挿絵多数。


 







 広島の女学校勤務時代に若杉は同僚女性との恋愛問題で辞職。1927(昭和2)年、彼女の出身地・神戸に来て、神戸小学校の教員になった。結婚し男児が生まれたが、29(昭和4)年妻病死。妻の一生を必ず小説にすると、決意する。

ペンネーム「若杉慧」を使うのは41(昭和16)年神戸小学校退職後。それまでは「駒四郎」「庭與吉」。芥川賞候補になるが、作家として名を知られるのは戦後のこと。47(昭和22)年青春小説「エデンの海」がヒットし、流行作家になる。

 本書は、亡妻との恋愛事件をモデルに、時代を戦後にする他、設定を変えている。妻の死後、教え子を語り手にして、苦しい恋を回想。

 

(平野)

2021年10月10日日曜日

象牙海岸出版記念会

 『竹中郁詩集 象牙海岸』 第一書房 1932(昭和7)年刊








 兵庫津の旧家所蔵本。今春花森書林にて購入。

 1923(大正12)年、竹中は神戸二中在学中、北原白秋に認められ詩壇にデビューした。

28(昭和3)年3月、竹中はフランス遊学のため神戸出港。カゼで少し遅れて親友・小磯良平合流。パリの文化を楽しみ、芸術家と交流。ヨーロッパ各地を巡り、詩作した。30(昭和5)年2月帰国。

『象牙海岸』はその旅の成果。

32(昭和712月の暮れ、詩誌「四季」の仲間・堀辰雄は神戸で過ごした。主目的は『象牙海岸』出版記念会出席。この訪問を「旅の絵」「鳥料理」に書いている。堀は到着後、元町3丁目の喫茶店「藤屋」から須磨のT君(竹中)に電話した。

〈元町通り。店々が私には見知らない花のように開いていた。長い旅のあとなので、すっかり疲れ切り、すこし熱気さえ帯びていたけれど、それでも私は見せかけだけは元気よくコツコツとステッキを突きながら、人々の跡から一体どんな方角へ行くのかわかりもせずに歩き続けていた。〉「旅の絵」

竹中は神戸あちこちを案内。明石の稲垣足穂宅(当時古着屋を営む)にも連れて行っている。

 竹中も堀も出版記念会について詳しく書いていない。私は、どこで開催されたのか、ずっと気になっていた。神戸駅周辺か、元町か三宮か、それとも竹中宅近くの須磨か。

 

数年前、図書館で若杉慧(けい)の本『須磨・明石・六甲の旅』(秋元書房、1961年)を手に取った。書名は「旅」だが、神戸歴史紀行エッセイ。竹中との交遊も書かれている。図書館所蔵本は若杉が竹中に贈ったもの。署名入り。竹中とは詩の仲間、ペンネーム「庭與吉」。

若杉は戦前神戸小学校教師、本名・惠(さとし)。生徒の中に島尾敏雄、陳舜臣がいた。34(昭和9)年、同校の校歌を作詞する。著名人の感想を求めるに際し、竹中が白秋を紹介した。

若杉は竹中の出版記念会に出席。

〈ささやかな記念の集まりが仲間だけで、元町のあるグリルで催されたのは、その年のクリスマス・イヴであった。〉(正しくは1225日)。

元町やんか、と喜んだが、名称不明。参加者は、堀、福原清、中川郷一郎、山下三郎、小磯良平、それに大学生など、とある。二次会、三次会のこと、出席者たちの印象も記している。特に作品を愛読していた堀に惹かれた。若杉が「若杉慧」名で文壇に出るのはまだ先のこと。

 

 このたびコロナ感染症対策の緊急事態宣言が解除され、図書館で神戸新聞のマイクロフィルムを閲覧できるようになった。駄目元で調べたら、出版記念会当日の記事があった。正直に言う。1回目は見落とし、巻き戻す途中で見つかった。

「神戸新聞」1932年12月25日。


 

1225日午後2時、会場栄町5丁目「アサヒ食堂」、会費50銭。発起人は福原、小磯の他、一柳信二、喜志邦三、亀山勝。

 福原は神戸二中で竹中の先輩。24(大正13)年、竹中と神戸詩人倶楽部を結成、詩誌「羅針」発行。

喜志は神戸女学院教師、亀山は神戸市電気局勤務、共に詩の仲間。

一柳は神戸二中、関西学院で竹中の先輩。音楽家(チェリスト)。「羅針」同人でもある。

中川は画家らしいが、詳細不明。名前の読みも「ごう」か「きょう」かわからない。

山下は山下汽船創業者の次男、同社重役のかたわら文学活動。31(昭和6)年北原武夫と文芸誌「新三田派」創刊。

会場がわかって、それがどうした!? と言われそう。竹中と堀が歩き回った場所、元町の「藤屋」、居留地の薬屋で食料品店で本屋「トムスン」、海岸通のレストラン「ヴェルネ・クラブ」、ホテル「イソヤン」、ドイツ菓子「ユウハイム」の名はわかっているのに、出版記念会場が不明なのは気色悪い。記事発見は大きな喜びなのですよ。でもね、「アサヒ食堂」についてはわからない。28(昭和3)年の『神戸商工名録』(神戸商工会議所)に同じ名があるのだけれど、所在地は居留地34(昭和9)年の『神戸電話番号簿』には掲載なし。調べはここまでで終了か。

(平野)

2021年10月9日土曜日

死者と霊性

  10.4 ヂヂのお気楽仕事パート、大きな声では言えない事件も起きる。今日は花壇で猫の死骸を発見してしまう。市の環境局に連絡して、引取りに来てもらう。箱に入れて「猫」と明記、私の名前と連絡先も必要。

 10.5 図書館、新聞マイクロフィルム閲覧。昭和712月記事。ある詩人の出版記念会のことがあるかどうか。駄目もとと思いながら探した。ない。巻き戻す途中でもう1回見る。見落としていました、ありました。小さな記事、8行ほどだけど、とてもありがたい。まとめてから書きます。

 午後、元町事務局に原稿を届ける。上記記事発見を伝える。

 本屋さん、またまたまた積ん読♪♪ 孫の絵本も買った。

 


 10.7 大型ゴミ出し。ゴミほかさなワテがほかされまんねんや~。

図書館、「元町原稿、若杉慧」調べ。若き日、神経衰弱と胃病併発。素人考えでは、深刻な性の悩みから神経症、そこから胃疾患、だろう。広島の小学校を休職して東京で治療。病院の近くに下宿し、夜間の画学校にも通った。回復の望みなく帰郷する。『老幼夢幻』(言叢社、1985年)は若杉版「ヰタ・セクスアリス」。

「みなと元町タウンニュース」350号着。拙稿は「元町駅周辺(1)学校その1」神戸小学校誕生の話。

https://www.kobe-motomachi.or.jp/motomachi-magazine/2021/10/05/townnews350.pdf

 10.8 中学同級生が電話でいきなり神戸小学校校歌を歌いだす。「みなと元町タウンニュース」を見てくれたようだ。彼は神戸小OB

 


 末木文美士編 『死者と霊性――近代を問い直す』 岩波新書 860円+税

〈近代とはどのように定義できるであろうか。ごく簡単に言えば、人類は合理的思考によって進歩し、それによって万人の幸福度が増加する方向へ向かうという楽観論が共通の前提となっていた時代ということであろう。〉

 科学的技術の進歩と無残な戦争を経た人道主義・民主主義によって、人類は幸福や豊かな社会を目指してきた。1990年代マルクス主義国家の失敗、イスラム原理主義のテロとアメリカの報復、覇権主義指導者の登場。日本では55年体制終焉、バブル経済と崩壊があり、阪神淡路大震災、サリン事件、東日本大震災と原発事故が起きた。今や全世界の危機は、環境汚染、気候変動、そして新型コロナウイルス。

 近代的、科学的合理主義は実証できないものを否定する、抹殺する。宗教や哲学は個人の問題だ、と。

〈こうして、公的な場から見えざるものたちが消されていく。消された見えざるものの代表が死者たちだ。長い間、死者たちについて問うこと事態がタブーであった。〉

 例えば、靖国神社問題は政治家参拝どうのこうのアジア諸国なんのかんの、という政治・外交の問題になっている。敵味方を超えて戦死者、犠牲者をどう弔うのか、を考えるべき。

コロナ禍の現在、私たちは他人との接触を制限、禁止されている。感染で入院した人に会えない、高齢者施設にいる人との面会も満足にできない、万一亡くなった場合はお別れもできない。死者との対話がない。

 末木(仏教学)が司会。中島隆博(中国哲学)、若松英輔(批評家)、安藤礼二(文芸評論家)、中島岳志(政治学)が「死者と霊性」をキーワードに、「近代」とこれからの哲学・宗教を考える。

(平野)

2021年10月3日日曜日

明治の寄席芸人

 9.28 毎晩炊飯器のタイマーを翌朝炊けるようにセットするのだが、保温状態のままだった。家人は弁当なし。お米にも申し訳ない。飯炊き失敗ヂヂ。

 数日前の姉孫動画着。こっちにいる時から大相撲好きになって、テレビを見ている。お気に入りは「わたかたかげ(若隆景)」「かっこいいひと(遠藤らしい)「もうひとりかっこいいひと(琴ノ若らしい)」。「白鵬」と「照ノ富士」は「つよいひと」。お相撲さんみんな好きらしい。ヂヂババは「正代」を「まさよちゃん」と呼んでいる。ヂヂバカちゃんりん。

 9.30 「朝日」朝刊より。〈折々のことば〉は「声が大きな人をそんなに気にする必要はない。 辻山良雄」。荻窪の本屋Title店主。

 同じく「朝日」に訃報。漫画家さいとう・たかを死去、84歳。

中学生時代から私は「ゴルゴ13」を読んでいた。同級生が「ビッグコミック」を時々見せてくれた。少年誌でもなじみの手塚治虫、白土三平、石森章太郎ら巨匠がズラリいるけど、大人のコミック、の印象だった。伊坂芳太良のおしゃれな表紙だった。

娘と姉孫は10月生まれ。誕生祝い送る。

10.2 緊急事態宣言解除。早速図書館、新聞マイクロフィルム閲覧。元町原稿で調べ中の「神戸小学校開校50周年式」記事(193412月)を見る。でもね、私の予想より扱いが小さい。見出し入れても20数行、写真なし。私が勝手に大事業と思い込んだのか。

中学時代の友人、病院帰りと言って来訪。でも、前に会ったときよりは健康そうに見える。

午後、買い物。「BIG ISSUE」と本屋さん。積ん読、また増える。どんどんどん積ん読


 

 三遊亭圓生 『六代目圓生コレクション 明治の寄席芸人』 岩波現代文庫 

1460円+税



 江戸末、明治初めに遡り、芸人たちを紹介。落語、講談、義太夫や音曲、物真似から舞台に出ない下座(お囃子)まで。芸能史に名を残す名人、一世を風靡した人気者の他、多くの芸人が活躍し、消えた。圓生は6歳から芸の道に入り、プロの舞台に立ってきた。資料をひも解き(誤りも正す)、鋭い批評眼で個々の芸と人生を語り、残す。

古谷三敏のコミック「寄席芸人伝」(かつて「ビッグコミック」連載)のモデルになった人たちが続々。

(平野)