2020年1月14日火曜日

永田耕衣


1.12 『永田耕衣』(春陽堂俳句文庫、1992年)持って新快速。姫路城を眺めながら、姫路文学館「永田耕衣展」。
最初に勤めたコーべブックスの出版部が耕衣本を出していて、名前だけは知っていた。句はちんぷんかんぷん。詩人や文学者がエッセイで耕衣を紹介していたので、すごい人なんだろう、というくらいの認識。耕衣死後、週刊誌で城山三郎『部長の大晩年』(1998年「週刊朝日」連載、同年単行本、2001年朝日文庫)を読んだ。経済小説の城山と孤高の俳人がすぐに結びつかなかったが、耕衣のことをくわしく知った。句集(文庫本)を買った、わからないのに。耕衣本はよく見かけるが、私には高価。昨年、神保町で『耕衣百句』(吉岡実編、コーべブックス、1976年)を見つけた。私でも買える値段だった。

永田耕衣(190097年)。1995年阪神淡路大震災で被災、自宅(須磨区行幸町)は全壊した。耕衣は救出され、避難所、門弟宅を経て、寝屋川市の特別養護老人ホームに入居。家から掘り出された資料5000点は姫路文学館に寄贈された。棟方志功から贈られた赤不動の版画が最後に見つかった。別の志功版画には水漏れの跡が生々しく残る。展覧会チラシ・図録の写真はホーム前の竹林にて。

〈少年や六十年後の春の如し〉

図録『耕衣自伝』(沖積舎、2015年)を購入。

帰途、城の堀に白い鳥の群れがいた。鷺でないことはわかる。
 
 

1.13 「古書片岡」店主が『詩集 神戸市街図』(ジュンク堂書店、1986年)を届けてくださる。感謝。

夜、親戚より訃報。
(平野)