2022年2月1日火曜日

藤村のパリ

1.30 「朝日俳壇」より。

〈初雪や古書肆の猫の落ちつかず(多摩市)吉野佳一〉

〈しづかなる活字にとまる冬の蠅 (安曇野市)望月信幸〉

 新刊本がなくなって、棚の古本をめくる。いつか読むのだから。いつ読めるかわからない本もあるけど。

 

2.1 図書館、女学校調べの続き。

本屋さんで積ん読本補充。申し訳に孫の絵本とキャラクターグッズ。

 

■ 河盛好蔵 『藤村のパリ』 新潮社 1997



 本棚の本。

 島崎藤村パリ滞在。1913(大正2)年5月神戸港出航。藤村自身が新聞社に送った随筆や記録、同時期の滞在者・旅行者ら交流した人たちの文章から藤村のパリ生活を克明に追う。限られた費用で、フランス語レッスンに通い、劇場に足を運び最先端の文化に親しんだ。藤村の周りに人が集まる。友人たちと散歩、食事。2年目に第一次世界大戦勃発。下宿の女主人のツテで疎開。河盛はその村を訪ねて女主人の縁者に取材。

 藤村は文壇で地位を確立していた。なぜ3年ものパリ遊学に出たのか。16(大正5)年7月帰国。18(大正7)年、姪との関係を小説『新生』で告白する。

誰も幸福になっていない。

(平野)