2020年2月6日木曜日

南米移住専用最終船


 2.2 登尾明彦『原初の、学校 夜間定時制、湊川高校の九十年』(みずのわ出版)読み終える。定時制高校は統廃合で少なくなっている。登尾は、「定時制高校こそ学校であり、定時制にはまさしく学校の、原初の姿を留めている」と書く。働きながら学ぶ生徒が主体だが、年配者や障害者生徒、中学時代不登校だった生徒もいる。ゴンタの子もいる。湊川の場合は不当な差別のなかで育ってきた子たちが多数いる。生徒たちは教師の態度・姿勢を見つめている。教師は生徒の心情を受け止め応える力量を持たなければならない。生徒の就学・通学支援、仕事支援、落第生教室、校外生教室、解放教育、朝鮮語授業など、少数者に依拠した教育を実践してきた。
〈……湊川高校は、国際化、高齢化、情報化という二十一世紀の日本を見越して、そのいずれの課題にも正面から挑み、とりわけ被差別層、底辺の教育要求に答えていく運動の先陣を切ってきた。(後略)〉
 兵庫県の教育史記録には湊川高校の記述がないらしい。

「朝日新聞」2.2「朝日歌壇」より。
〈百年の書店を廃(や)めるときは来(き)ぬ本の衰へ吾の衰へ  長野県 沓掛喜久男〉
 本屋店頭の様子を歌って入選常連。廃業を決意されたのか。

 2.4 図書館で「ブラジル移民」調べ。本や資料に「最後の移民船」が複数出てくる。「最後の移民専用船」あり、「最後の南米航路船による移民」あり、「船では最後の移民」も。
 写真は「南米移住専用最終船さんとす丸」。1965(昭和40)年629日神戸港出港。上、「神戸新聞」同年6.30。下、陳舜臣『神戸というまち』(至誠堂新書、1965年)より。




周防大島みずのわ出版・一徳社主、所用のため来神。お土産みかん(社主栽培)をいただき、久方ぶりの乾杯。出版から農業事情まで話を聴く。歓談中神戸周辺の著者たちから連絡入り、多忙。出版予定が何冊もあり、翌日は広島で取材の由。

(平野)