2020年3月24日火曜日

暗い林を抜けて


3.21 大阪府知事の往来自粛要請もどこ吹く風、大阪通り越して京都大谷本廟。往復電車はいつもより空いていたが、街中は着物のカップルや袴スタイルの卒業式姿、春休み満喫学生や親子らでいっぱい。外国人観光客がいないだけ。滅多に有名人に遭遇しないが、今日は男優さんとすれ違い、デパート地下で政治家を見た。お参りすませて本屋さん、欲しい本はたくさんあるけど、資金不足は毎度のこと。古本1冊、新刊1冊のみ。

 京都出身、黒川創『暗い林を抜けて』(新潮社)読了。主人公は通信社記者。50歳目前にガン発病するも、本社に戻り戦中戦後秘史を執筆。重要人物、事件とそれに連なる現代史。そこに普通人としての人生が重なる。地方勤務、転勤、災害取材など多忙な記者生活、生い立ちから京都学生時代、生活変遷(結婚、離婚、新しい家庭)。秋の夜明け前、死を悟り暗い林の中に入る。家族に遺す言葉は……
 
 

3.22 京都の古本屋さんで買った新刊、柳田國男『名字の話』(土曜社)595円+税、四六版48ページ。明治44年雑誌「斯民家庭」に発表。私など凡人は名字の由来や先祖の由緒に興味を持ってしまう。その前に、なぜこの国に多くの名字ができたのか、柳田の古代社会研究。
 

 

3.24 映画「漫画誕生」、イッセー尾形主演、元町映画館。日本最初の漫画家と言われる「北沢楽天」のこと。風刺からスタートしたが、その表現力で時代時代に売れるものを描いてきた。戦争中は引退状態。内務省の検閲役人に呼び出され、これまでのことを語る。「あなたが描きたかったものは何?」と挑発されて、描いたのは……
平日午前のうえ、この時節、館内は他の人と十分すぎる間隔。
(平野)