2025年12月11日木曜日

還って来なかった兵たちの絶唱

12.8 1941年(昭和16128日、ハワイ真珠湾において特殊潜航艇に乗りアメリカ軍艦に突撃した古野繁実中尉の辞世の句。〈靖国で会う嬉しさや今朝の空〉

日本は無謀な戦争に突っ込んだ。今読んでいる本、あとで紹介。

12.9 朝起きて朝刊で知る。昨夜青森県、北海道で大地震発生。

 夕方みずのわ社主とジュンク堂書店三宮店訪問、店長さんとお話。

1210 明日本会(本仲間の飲み会)の出欠締切日。多忙な年末ゆえ、皆さんギリギリまで調整してくれた様子。早々と出席返信の飲兵衛はヒマという訳ではなく、何よりも飲み会を優先、ということで。

 

栗林浩 『――戦後八十年――還って来なかった兵たちの絶唱』 発行:角川文化振興財団 発売:株式会社KADOKAWA 3200円+税



 著者は1938年生まれ、俳人・俳句評論家。

 戦後80年、日本は平和な時代を過ごしているが、世界では戦争・紛争で多くの人が犠牲になっている。

〈平和のために俳句が大きなことを成せるとは思わないが、この時機に、戦争で亡くなった俳人たちの俳句を通して、戦争を思い起こし、平和を確認することも必要ではなかろうか。戦場から還って来られなかった兵士たちの絶唱にも似た俳句を読み、当時の状況を再認識したいと思った。〉

 特攻兵、戦死者、行方不明者、抑留者、帰還後病死者……。戦犯、帰還者にも目を向ける。戦時中、厭戦・反戦の表現を弾圧した(虐めた)と言われる俳壇権力者の見直しも。

 特攻は志願と言われている。兵士は嫌とは言えない。祖国のためと決意する句が多いが、命令によって、と思われる句もある。昭和20622日沖縄周辺洋上にて戦死した原田栞少尉の句。

〈野畔(あぜ)の草召し出されて桜哉〉

(平野)