2024年10月29日火曜日

風呂と愛国

10.25 孫(姉)7歳の誕生日。はしゃいで変顔の写真にヂヂにっこり。例年誕生日祝いと神保町ブックフェスティバルに合わせて上京しているが、今年は一週間遅れになる。

10.26 息子が花束を贈られて帰宅。仕事一段落したよう。

 買い物のついでに元町商店街で家人と期日前投票。通常の投票所より行きやすい場所にある。

 孫写真、神保町ブックフェスで絵本買ってもらって、ランチ。

10.27 「朝日歌壇」より。

〈「ねじ式」をタブレットにて読みながら遠くにほへるむかしのインク (神戸市)松本淳一〉

〈いくつもの近場の書店消え失せて神保町へ行く日が増え来 (東京都)上田国博〉

 

 川端美季 『風呂と愛国 「清潔な国民」はいかに生まれたか』 NHK出版新書 980円+税



 著者は立命館大学准教授、専門は公衆衛生史。

 日本人は風呂好き、と言われる。「日本人らしさ」とか、「日本人の国民性」だと。

本書は、「日本の入浴の歴史を追いながら、入浴が清潔という概念と結びつき、日本人は入浴好きで清潔な国民である、という意識が生まれた歴史を紐解」く。

 幕末・明治の西洋人の眼差し、入浴習慣や公衆浴場に対する警察の監視、衛生上の取り締まり、海外の公衆浴場事情、そして「家庭衛生」から「国民道徳論」への盛り上がり、修身教育。「清潔」の重要性は国家主義や忠義と結びつけられていく。

(平野)だいたいカラスの行水。シャワーで汗を流すだけでも気持ち良いが、夏でも数分湯船に浸かりたい。

2024年10月22日火曜日

浅草寺子屋よろず暦

10.17 関東圏で続発している強盗事件、遂に犠牲者も出た。孫たちの住む地域でも被害あり、心配。

10.19 雨と風、これで季節が進むか。ギャラリー島田DM発送作業手伝い、買い物、図書館で資料コピー。孫姉運動会、あちらは晴天。

10.20 「朝日歌壇」より。

〈多摩緑道歩めばベンチの待ちてをり文庫ひろげて木蔭に憩ふ (小平市)真鍋真悟〉

「朝日俳壇」より。

読み終へるのが惜しき本秋の暮(くれ) (羽島市)緒方房子〉

ヤフーニュースにちくさ正文館・古田一晴さん追悼記事、フリーライター・大竹敏之。

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/7e913dce9421b082643d26a71f1c3824c9a56d82

 文章を書いていても、日常生活でも、注意不足というか、どうしようもないミスをする。それを何度も繰り返す。自分でもアホ・バカ・間抜けと思う。このところ炊飯器の予約時間を続けて間違っている。年齢のせいばかりではないようだ。

 

 砂原浩太朗 『浅草寺子屋よろず暦』 角川春樹事務所 

1700円+税



 PR誌「ランティエ」連載(202324年)。

 主人公・大滝信吾は浅草寺境内の子院で寺子屋を開いている。旗本の妾腹であることなど、話が進むうち素性や人間関係が分かってくる。子どもたちの悩み=親たちのトラブルを見過ごすことができず、解決に乗り出す。どれも裏社会に関わる、博打の借金、賭場の用心棒、みかじめ料など。寺僧を狙う仇討ちにも裏稼業が助太刀するが、信吾と兄(幕府御膳奉行)が治める。裏の元締めとっては小さな事だが、手下たちの面目がつぶれる。元締めとしてケジメをつけなければならない。信吾本人ではなく周りの人たちを困らせる。江戸の食料流通を止めて兄を窮地に落とし、長屋から住民を追い出す。

信吾と元締めの直接交渉。子どもたちと親、寺僧、実母、兄、幼なじみが駆けつける。元締めが出した和解の条件は、信吾が手下になるか、江戸を出るか。

 信吾は賭場での一瞬の昂揚、裏社会への興味を正直に語る。元締めが「それこそが、あんたの居どころなんじゃねえのかい」と誘う。さあ、どうする、信吾。

(平野)

2024年10月17日木曜日

大江戸綺譚

10.13 「朝日歌壇」より。

〈中学の全校生でイナゴ取り図書費作りき昭和のわれら(山形市)佐藤清光〉

 家人と京都大谷本廟墓参り。他に用事もなく、午後早めに帰宅。

10.14 家人と六甲アイランド、島内別行動。ヂヂは神戸ゆかりの美術館「宮城県美術館コレクション 響きあう絵画」。同館改修工事長期休館中に際して、所蔵品巡回。宮城県や東北地方ゆかりの作品、海外作家の作品、洲之内徹コレクションなど74作品。

10.15 早朝福岡さんからメール。13日古書店主・山田恒夫さん逝去。海文堂書店での古書イベント開催と「古書波止場」開設に尽力くださった。先日はSNSで名古屋ちくさ正文館の古谷一晴さん逝去のニュースあり。ご冥福を祈る。

10.16 新聞記事で神戸元町生まれの人形作家・吉田太郎さん2月逝去を知る。からくり仕掛けの「神戸人形」を復活させた人。詳細は「神戸人形のウズモリ屋」公式ページを。

https://www.kobotaro.com/kobedoll/index.php

 

 『大江戸綺譚 時代小説傑作選』 細谷正充編 ちくま文庫 

800円+税



 江戸を舞台にした時代小説怪談集。ほんわか因縁ばなしや真相究明もあるが、恐い怖い。人間の心にある恐怖や恨み、悲しみが怪談を作り出す。

木内昇「お柄杓」 木下昌輝「肉ノ人」 杉本苑子「鶴屋南北の死」 都筑道夫「暗闇坂心中」 中島要「かくれ鬼」 皆川博子「小平次」 宮部みゆき「安達家の鬼」

「安達家の鬼」より。

 紙問屋・笹屋の嫁「わたし」は義母の介護。「わたし」は家族の縁薄く、笹屋と同業の店で女中奉公(子守りと病人の世話)していて、縁談。義母には不思議な力がある。若き日の苦難時から鬼に守られていた。「わたし」は鬼が見えない。義母は、おまえの心が清いあかし、と言うのだが、

〈「人は当たり前に生きていれば、少しは人に仇をなしたり、傷つけたり、嫌な思い出をこしらえたりするものさ。だからふつうは、多少なりともを見たり感じたりするものなんだ。だけどおまえにはそれがない。ということは、おまえはあまりにもひとりきりで閉ざされた暮らしをしてきて、まだとして生きていなかったということなのだよね」/これからだよ――と、呟くようにおっしゃいました。(中略)/「良いことと悪いことは、いつも背中合わせだからね。幸せと不幸は、表と裏だからね」/辛いことばかりでは、逆にも見えないのかもしれない――だからやっぱり、おまえはこれから(、、、、)なのだよ。

 義母が亡くなり、「わたし」はの姿を見る。微笑んでいる。義母のまなざしに似ている。声をかけるとは消えた。義母の声が聞こえる。「――人として生きてみて、初めてが見えるようになるのだよ」。

 

(平野)

2024年10月14日月曜日

江戸川乱歩座談

10.6 「朝日俳壇」より。

〈捨て難き書をまた戻す夜長かな (多摩市)田中久幸〉

〈本の虫虫が大好き虫図鑑 (さいたま市)春日重信〉

〈宇能没すたわわに熟す葡萄なる (秦野市)浜田恵〉

10.8 森鷗外長男・於菟の生涯を描いた本に心動かされ、余計なお世話。出版社の昔馴染みの営業マンに関連資料コピーを送りつける。著者さんの役に立つかどうかわからないけれど、ヂヂのおせっかいは迷惑かもしれない。

10.9 孫電話。姉はいきなり「しりとりしよう!」。退屈していたか、それともヂヂババと遊んでやろうの心遣いか。妹は今日食べたものの報告と、明日食べる予定を教えてくれる。

10.11 「朝日新聞 鷲田清一 折々のことば 3231」。

 夏葉社社主・島田潤一郎『長い読書』(みすず書房)より。

〈自信のない声や、いい淀む声、朴訥な声や、なにかに身を捧げるような静かな声のほうに真実味を感じる。〉

10.12 日本原水爆被害者協議会(日本被団協)ノーベル平和賞受賞。

〈「ヒバクシャ」として知られる広島と長崎の原子爆弾の生存者たちによる草の根運動は、核兵器のない世界の実現に尽力し、核兵器が二度とつかわれてはならないことを証言を通じて示してきたことに対して平和賞を受ける。〉ノーベル委員会授賞理由から(「朝日新聞」10.12)。

 

 『江戸川乱歩座談』 中公文庫 1300円+税



 2024年は江戸川乱歩生誕130年。現在も大人気作家である。

……探偵小説の未来について多様な創作営為を持つ人々と広く意見を分かち合い、対話をもってジャンルの行く末を志向していく場を用意する、優秀なホストとしての乱歩像である。〉(解説・小松史生子)

本書は探偵小説仲間との対談・鼎談だけではなく、他ジャンルの作家や文化人らとも対談を収録。乱歩は寡黙のイメージだが、ホスト役を勤めて話を引き出していく。

 仲間と探偵小説そのときどきの現状、将来を語り合う。文豪たちの探偵小説趣味、探偵小説好きが語る批評、それに同性愛、心霊現象の話も。

 小林秀雄との対談で「独裁国に探偵小説なし」という話に。

……戦争のときにはドイツやイタリアでは探偵小説を禁じたでしょう。それに尻馬に乗って日本も探偵小説が弾圧されちゃったですよ。僕なんか七年ぐらい全然収入なかったですよ。(中略)ところがアメリカやイギリスは塹壕の中で探偵小説のポケット版を読みながら戦っていたじゃないか。これはちゃんと裁判を護国だ。独裁国ではこういうものは流行りこないということを戦争中にさかんに向うの人も言いました。(後略)〉

(平野)

2024年10月6日日曜日

本の身の上ばなし

10.4 「朝日新聞 鷲田清一 折々のことば 3224」より。

〈いま読まれていないもの、関心をひかないものは何か。それを考えれば、逆にこの時代がどんな時代なのかが見えてくる  荒川洋治〉

 鷲田解説。売れないものには冷たい。本もそう。「読まれていないもの」こそ時代に欠けているもの。〈(荒川は言う)実際、採算が合わずとも「後世のために」出しておきたいと考える人が昭和の頃までは大勢いたと。〉

10.5 大阪梅田に出る家人に「BIG ISSUE」を買ってきてもらう。8月から5冊。

 


 出久根達郎 『本の身の上ばなし』 ちくま文庫 

880円+税



 著者得意の書物と人間のドラマ。201910月から2010月まで「日経新聞」に週1回連載した「書物(ほん)の身の上」を改題。イラストは南伸坊、連載時の挿絵のまま掲載。

〈有為転変は人の世の習いだが、書物にも数奇な運命がある。本の身の上は、本にかかわる人の物語でもある。(後略)〉

 俳優・高倉健のエッセイからはじまる。飛行機内で見知らぬ人から話しかけられる。煩わしく思うが、同郷人とわかり、「迷惑な、という思いが薄れていく」。

 出久根は高倉の故郷福岡県中間市底井野(そこいの、旧筑前国遠賀郡底井野)の主婦の日記を紹介。小田宅子(いえこ)は両替商の娘、国学と和歌を学ぶ。天保12(1841)年53歳の時、同門の女性たち(従者も)と伊勢参り。名古屋、善光寺、日光を経て江戸。帰りは甲府、上諏訪、京都をまわり大坂から船に乗る。女性の長旅が珍しい時代、5ヵ月800里の大旅行だった。10年後「東路(あずまじ)日記」にまとめ、子孫に遺す。1950年代になって学者が発見、世に知らされた。名所を歌に詠み、関所破りの冒険や怖い男どもにつきまとわれる事件も記録。田辺聖子が小説(『姥ざかり花の旅笠』)にしているそうだ。

 出久根文章最後の一行。

〈うっかり言い忘れる所だった。高倉健は宅子の直系の子孫である。〉

 歴史上の人物、著名な作家・学者からその家族や無名の庶民まで、古書や古文書から見つけたあんな話、こんな話56話。あとがきには連載中に読者から届いた反響(誤り指摘、関係者からの手紙など)も。宅子の歌と高倉健の映画で閉じる。

(平野)

2024年10月3日木曜日

鷗外の遺品

9.24 「朝日新聞」夕刊。8.31仙台市の塩川書店五橋店閉店。2011.3.11東日本大震災の後、本・雑誌の配送が止まった。お客さんが山形で買った「少年ジャンプ」を置いていってくれた。店主が、ジャンプ読めます、と貼り紙をして子どもたちに読ませてあげた。新聞に報道されると、全国からマンガ雑誌が送られてきた。

9.26 ギャラリー島田DM作業。前日終了した展示を見に来たというのんびり古書店主あり。近所の画廊主がいらして、スタッフさんと何やら交渉。近々イベントがあるらしく、お誘い。全部英語ゆえ、ヂヂはところどころしかわからない。サルバドール・ダリがお師匠さんらしい。

9.28 午前中臨時仕事、午後みずのわ一徳。貴重な資料コピーいただく。提供者は詩人さん。

9.29 午前図書館、読書中の「森於菟」関連で『西村旅館年譜』に記録があったので確認。

「朝日歌壇」より。

〈親王と親玉の違いヽ(てん)一つ秋の夜に読む「和泉式部日記」 (大和郡山市)四方護〉

10.1 新しい政治リーダーが決まったが、早くも言行不一致の様相。

 午前中臨時仕事。まだまだ暑い。

NR出版会新刊重版情報」593号着。国立国会図書館のデジタル化資料サービスの問題点。絶版本や古い資料提供は利用者にとってたいへん便利でありがたい。でもね、入手可能、流通している本まで一方的に公開されている資料がある。出版社が異議を唱える。

 

 多胡吉郎 『鷗外の遺品 森於菟と台湾 遥かなる旅路』 

現代書館 2700円+税



 森鷗外の長男於菟(おと、18901967年)は解剖学者。随筆家としても知られる。鷗外の最初の妻の子。父、継母、妹、弟とは同じ敷地内ながら別棟で祖母と暮らした。於菟は悲しい生い立ちに耐え、反抗もせず、グレもせず、立派な学者になった。そして、父の遺品を守った。

〈鷗外の遺品を語ることは、於菟を語ることでもある。/この人の努力があればこそ、戦争を頂点とする昭和史の波乱激動を超えて、鷗外の遺品は守られ、今に伝わっている。〉

 於菟は父の遺品を受け継ぎ、1936(昭和11)年赴任先の台湾に移した。台湾に骨を埋めるつもりだった。台湾はかつて鷗外が医療に従事した土地。於菟は遺品をそばに置き、常に父と向き合うことができた。

 台湾に来てすぐ継母死去。葬儀や後の法要にも戻る。継母との軋轢が消え、台湾での研究も生活も充実した。台北帝大同僚たちの協力があり、鷗外記念展覧会や文芸講演会を開催。鷗外の思い出を執筆した。

 ところが、戦争の時代。空襲を恐れ、遺品を郊外に疎開させる。日本敗戦により、台湾は中華民国の施政下になる。47(昭和22)年4月於菟一家は日本に引き揚げるが、遺品はわずかしか持ち運べない。残りは大学の同僚たちが保管してくれる。国交が回復して、53(昭和28)年92000点余りが於菟の元に戻る。最後の遺品、宮芳平の絵2点と中村不折筆の詩の額1点が返還されたのは1968(昭和43)年12月。於菟の死から1年後だった。

鷗外遺品は於菟の孤独の象徴だったが、台湾の友との友情・信頼の証となった。森鷗外記念館に保存、展示されている。

 宮芳平と鷗外、鷗外作品「半生」のこと、於菟の医学研究や随筆、鷗外の詩と遺品返還に奔走した杜聰明漢詩の共鳴などなどエピソードがたくさん。

(平野)

2024年9月24日火曜日

行不由徑

9.22 「朝日歌壇」より。

〈板チョコをかじるみたいに読んでいるあなたに借りた「天の夕顔」 (明石市)埜藤裕子〉

「天の夕顔」は中河与一(18971994年)の純愛小説、1938(昭和13)年刊。神戸布引の滝近くに住む「あの人」を想う。

9.23 暑さ寒さも彼岸まで、一気に暑さ和らぐ。そうなるとヂヂの心配はトイレ回数が増えること。

 芸術の秋に先駆けて個展めぐり。福岡アリス(ルイス・キャロル信奉者には申し訳ない愛称)とデート。作家・島京子さん訃報記事「神戸新聞」を見せてくれる。98歳、海文堂でお世話になり、閉店後のイベントにも出席くださった。感謝と共に合掌。

アリスはヂヂより年下ながら立派な高齢者ゆえ、道々の話は互の健康問題。ヂヂのトイレを気遣ってくれる。

JR摩耶駅近く、山口砂代里〈わたしの本展〉。JR芦屋駅前、〈高橋健一の海洋画展〉。トアウエストのギャラリーロイユ、林哲夫〈心象風景〉。海文堂書店と縁の深い画家さんたち。在廊中の山口さん、高橋さんと旧交をあたためる。林さんには会えず、展示の自画像に拝謁。

元町駅前飲み屋で乾杯していたら、古書店主と遭遇。


 『行不由徑 ゆくにこみちによらず』 諸橋轍次記念館編 

新潟日報メディアネット 1800円+税



 漢学者・諸橋轍次生誕140周年記念出版(2023年)。諸橋は新潟県三条市(旧下田村)出身、『大漢和辞典』(大修館書店、通称「諸橋大漢和」)編纂。

本書は20194月から233月まで地元新聞「新潟日報」に連載したコラム(4名執筆)。漢字一字ずつ1400字超、音訓、意味、成り立ちを「諸橋大漢和」から解説。季節や地域の話題、時事問題も合わせて紹介。時期的にコロナ禍の話が目に付く。

〈  フク  「禍福はあざなえる縄のごとし」という言葉があるように、「禍」と対になる漢字。(ネ・しめすへん)には神や天という意味があり、「福」も天からもたらされる幸いを表す。ウイルス禍も、福へと転じてほしいものだ。 (卍) 202062日〉

〈  シン ジン かみ かん こう 新潟県には神社が約四七〇〇社もあり、その数は全国一。明治時代に人口が全国最多で、集落ごとに神社を設けたことが要因という。今年の初詣(はつもうで)では、新型ウイルス退散を願った人も少なくないだろう。 (つ) 2021317日〉

 複数の部首・文字が組み合わされた字、図形のような字、見たことない字がたくさん。何せ「諸橋大漢和」は親字5万字収録(私の持つ辞書は約1万字)。

 間違って思い込んでいる読みや意味、部首もある。前述「福」の「フク」を訓と思っていた。

「行不由徑」は諸橋の座右の銘。常に正道を歩み、公明正大に行動する。

 現代人は漢字をパソコンやスマホに頼る。機械が変換してくれるから覚える必要がなくなっている。読めない漢字、読めるけれど書けない漢字が多々ある。ヂヂは本を読んでいて辞書で引くが、あまり回数が多くなると億劫。後で調べようと思ってそのまま、ということもしばしば。孫(姉、小一)が国語辞典を楽しそうに繰っているのを見て、不精を恥じる。

 読後思うこと。もうひと手間かけてもらって、音訓索引がほしい。

(平野)