2017年5月23日火曜日

雲遊天下 126


 『雲遊天下 126 物語――ある大阪の編集者』 
ビレッジプレス 500円+税
 
 

「ある大阪の編集者」とは、元『プレイガイドジャーナル』発行人の村元武。南陀楼綾繁が2013年にインタビューしていたが、発表の機会を逸していた。村元の著書2冊が完成したことで日の目を見る。

 村元は1943年生まれ。大阪労音で宣伝、編集、舞台監督。音楽舎で『フォークリポート』編集。1971年、失業中に『月刊プレイガイド』を引き継ぎ、新会社「プレイガイドジャーナル社」設立、『プレイガイドジャーナル』創刊。85年、ビレッジプレス設立。

《半年の失業保険の期間が切れる頃にはどうするかを決めないといけなかったんだけど、周りの先輩たちがいかにぼくに仕事を回すかということを考えてくれるわけです。(後略)》
 
 労音の先輩たちが照明や舞台監督の仕事を回してくれた。
「大きなイベントをやりながら小さな雑誌を作っていた」(南陀楼綾繁)
 最初の2年編集長、イベントスケジュールをどのように見せるか苦心した。

《この種の雑誌が待たれていたという実感ありましたね。ミュージシャン、主催者、劇団、ジス映画上映者ら、そして読者も含めて、毎日のように事務所にやってきてくれて、その出会いに元気づけられました。それで、読者は常に編集部に参加するわけです。》

 配本や取材を手伝ってもらう。相手も喜んで楽しんで参加する。

村元の著書、『プレイガイドジャーナルへの道 19681973 労音フォークリポートプレイガイドジャーナル』(2016年)、『プレイガイドジャーナルよ 19711985』(2017年)東方出版刊。
(平野) 2冊目、まだ。版元様、申し訳ござらん。