2017年5月29日月曜日

普通の本屋を続けるために


 久禮亮太 『普通の本屋を続けるために』 明日香出版社 非売品
 
 

 NR出版記念会会場でいただいた。
 著者はフリーランス書店員としてブックカフェ運営や書店員研修などで活躍中。
 本書は同社の書店向け案内DMに連載したもの。これまでも連載原稿を「書店お役立ちマニュアル」として書籍化し、取引書店に配布している。

 もくじ
第一章   「本屋の仕事」を見直そう
第二章    まず、荷物を開けてみよう
第三章    スリップを読み解こう
第四章    正しい「抜き方」と「置き方」を理解しよう
第五章    棚前の平積みこそが売上げをつくる!
第六章    平台を「編集」しよう
第七章    一冊に賭ける「仕掛け」売り
第八章    データから「次の判断」を学ぼう
第九章    書店の「価値と利益」を考えよう
第十章    「不通の本屋」に立ち戻る

《本と読者の日常にとって一番大切なことは、身近な「普通の書店」が一軒でも多く、今よりちょっとずつ面白くて役に立つ存在になって、存続することではないか》

《棚を介して、ときには直に言葉を交わして、お客様と繊細で濃密なコミュニケーションをとるのです。それが本屋の醍醐味であり、仕事の本質だと思います。》

 著者は書店員の仕事の基本を言葉にして伝える努力をしている。それは人のためだけではない。そうし続けることで本屋が本屋として存続していける、と確信している。書店員として鍛え蓄え磨いてきた知識と技能を惜しみなく伝える。
(平野)