2019年7月11日木曜日

これからはソファーに寝ころんで


 岡崎武志 
『これからはソファーに寝ころんで 還暦男の歩く、見る、聞く、知る』 春陽堂書店 1800円+税
 文筆家、書物愛好家、書評家。同社のWebサイトで「オカタケな日々」連載中。
 
 
 まえがきを読んでいて、いつもの著者と違う、と思った。
「もう若くなくて幸せだ」という歌・言葉を噛みしめる。青春時代をふりかえる。老化を自覚し、持病もある。あれもこれもダメとあきらめるようになる。成功者は「最後まであきらめるな!」と言うが、「まあ、いいんじゃないかこのあたりで、と私は考えるようになった」。地下のマイルームにこもる時間が多くなる。
……赤いソファーに寝ころんで、豆皿のピーナッツを食べ、ウィスキーのソーダ割りをなめながら、大好きなアン・サリーの天上的至福の声を聴いていると、月の夜に湖に浮かべた小舟に揺られているようで、別にこのまま死んでもいいやと思うのだった。〉
 ちょっと心配したが、読書・仕事以外の楽しみを披露する内容だった。都内・近郊散歩、古本イベント、音楽ライブ(プロと共演までしている)など日常エッセイ。撮りためた写真も掲載。
 
(平野)歩こう、坂を登ろう、高いところへ上れ。ついでに、へそ曲げろ。
 図書館で「橋本関雪」本。昭和の文豪たちとの関わりを調べている。井伏鱒二、井上靖、谷崎潤一郎。直接会っているのは井上だけなのだが、それぞれいろいろある。