2021年2月14日日曜日

文字渦 禍ではない

 Web「元町マガジン」更新しています。拙稿は「諏訪山界隈(5)」。神戸女学院草創期。

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 2.5 暖かい日が続いて、報道されるコロナ感染者数もどんどん減って、ちょっとゆるんできたかな。昼ご飯の後、本持ったままウツラウツラ。

 円城塔 『文字渦』 新潮文庫 710円+税



 単行本は2018年新潮社刊。川端康成文学賞、日本SF大賞受賞。

 書名にひかれる。ジャンルとしてはSFなのでしょう。漢字が主役と思ったら、かな、ルビも。仏典や老子、中国史から生物学やコンピューターの話まであって、私には難解。でもね、ポケモンバトルやら横溝正史・犬神家のパロディもある。ギャグ(?)もチラチラ。初めて目にする漢字がたくさんあるが、実際にある漢字なのか、著者考案・創作漢字なのか、私には自信を持って判断できる学力なし。たとえば表題作に「嬴(えい)」という人物が登場、その字の一部を変えた漢字が次々出てくる。刻々変化する人体・精神を表現しているだろうが、その漢字たちは存在するのか? まあ私が何かで使うことはないけど。わからないことはいっぱいある。そのままにしておく。わかる人はたくさん快感があると思う。時間を置いて読んだらわかることもあるだろう。

 読めない漢字を辞書で調べることはあっても、書くときは変換機能頼り。読めても書けない。

 コロナ禍が頭にあって、本書の「渦」を「禍」と書いていた。読んでいるときも「禍」と思っていた。はずかしい。

  睡眠読書は、黒川博行『騙る』(文藝春秋)。美術品ミステリー、いわゆる詐欺もの。年末年始ゴロ寝用だった本、今頃。

 


 2.6 「朝日新聞」書評欄で、柳原一徳『本とみかんと子育てと』(みずのわ出版)紹介。評者は武田砂鉄。「土地に根付いたものを更新し、同時に守り抜く、その姿勢に心を打たれる」。勝手に社主(著者)に成り代わって御礼。ありがとうございます。



 図書館、西東三鬼関連の神戸富豪のこと。大正・昭和海運業の資料に名前がよく出てくるが、出身とか出生など不明。亡命中の孫文に講演依頼、美術コレクターの顔もありそう。

 本屋さん、髙田郁『あきない世傳 金と銀(10)』(ハルキ文庫)出ていた。



 三宮神社,梅美しく開く。

 夜、寝床からテレビ。福島・宮城はじめ東北関東で地震のニュース。津波の心配はないようだが、不安な夜を過ごしていることでしょう。

(平野)