2023年10月14日土曜日

喫茶店文学傑作選

10.7 〈KOBE まち大 20232回 小代薫「神戸雑居地のまちづくり」聴講。居留地の外国人自治によるまちづくり、公園整備、不動産開発による資金で次の地域整備。それを学んだ兵庫県令・神田孝平のこと。小代が携わる歴史遺産布引の滝周辺の整備など。

10.8 「安野光雅展」(あべのハルカス美術館)。数年前開催予定だったが、コロナ禍で中止になった。

10.9 みずのわ出版・一徳社主とティータイム。農業、出版共に忙しい。もうすぐミカン収穫が始まる。

10.10 いしいひさいち直販本『花の雨が降る ROCAエピソード集』到着。ポルトガルの国民歌謡ファドに魅せられた主人公と年上の同級生の友情話。もちろんギャグ満載だけど、主人公がプロデビューして自立、同級生の引き際が切ない。前作ラスト「焼け跡」の事件がわかる。


 

10.11 しばらくぶりの孫電話。姉はもうすぐ6歳の誕生日。自ら毎日カウントダウンしている。妹は寝起きでご機嫌斜め。

「朝日夕刊」に黒川博行『悪逆』(朝日新聞出版)インタビュー。早く読まねばならぬが、ちょっと本溜まって、雑用も多く……、サボリの言い訳はなんぼでも出てくる。

 


10.12 買い物ついでにデパート内に新しくできた本屋さんを覗く。横浜本拠の有名書店。雑貨を交えたこじんまりしたおしゃれな本屋さん。

 

 『喫茶店文学傑作選』 林哲夫編 中公文庫 900円+税



 編者は画家、著述家、装幀家、古本愛好者。喫茶店文化研究家でもある。

〈喫茶店と文学は相性がいい。喫茶店には人が集まる。見ず知らずの通りすがりもあれば、常連もいる。人の交差するところに物語が生まれる。さまざまなバックグラウンドを持つ人々がやって来て、それぞれの時間をつぶし、あるいは他者の時間と交わらせて、立ち去って行く。たまさか個性の強い店主が控えていることもあるが、ほんの束の間、気兼ねなしに人がとどまっていられる、そんな居場所はそうあるものではない。そこに文学者たちも惹きつけられる。〉

 夏目漱石、森茉莉、植草甚一、中原中也、澁澤龍彦、埴谷雄高、野呂邦暢、洲之内徹、吉村昭……、有名無名の作家たちの作品。喫茶店が舞台になったり、ちらっと登場したり。メニューの変遷、店の佇まい・インテリア、店主と働く人、そこに集まる人たちのこと。時代時代の風俗、文化を取り入れ、人々を魅了した。

 神戸が出てくるのは、浅見淵「漆絵の扇」。大正期の異国の文化が融合した街の姿。妖しい場所もある。常盤新平壹眞(かずま)」は独自の焙煎方法を始めた珈琲会社紹介。

(平野)