2014年5月20日火曜日

和紙風土記


 壽岳文章 『和紙風土記』 筑摩叢書 19879月刊

 元本は1941年(昭和16)京都・河原書店発行、47年再刊。

もくじ

新版の序

和紙事始
和紙と時代
昭和の和紙

解説 和紙の原点  柳橋眞
付記  索引

 寿岳の紙研究は京都大学在学中に始まる。恩師・新村出の和紙研究会「和紙研究」、生涯の友・柳宗悦主宰「工芸」で、その論考を発表した。1937年、帝国学士院から有栖川宮記念学術奨励金を受け、和紙の歴史地理研究。戦後、正倉院蔵の紙調査。

……上古、わが国には紙がなかった。人々は木の皮、あるいはそれから作った原始的な織物を、紙の代りに使った。これは日本だけでなく、紙を持つまで、ほとんどあらゆる民族が採用した自然の思いつきである。……

 現在、制作年代が世界最古の印刷物は770年(神護景雲4)完成の百万塔陀羅尼(法隆寺に残る)。

 我が国で漉かれたと思われる紙で確実な最古の紀年を持つのは、京都の小川睦之輔博士蔵の金剛場陀羅尼経である。これは朱鳥元年写とあるから、百万塔陀羅尼の開版された神護景雲四年を遡ること八十四年である。これらの遺品や、文献の徴すべきものから推すに、おそらくは推古朝の終り頃に組織的な製作工程を持つに至ったと思われるわが国上代の抄紙術は、後漢の製紙法を改良した高麗のそれを採用して、さらにこれを改善しつつ、漸次盛大に赴き、大宝律令が図書寮所属の造紙手の制を定めた頃は、立派な官営工業の一部門をなすに至った。さらに天平時代に入り、文化一般の進展――殊に仏法の隆盛に伴なう写経事業の隆盛は、官営の造紙だけでは需要を充たし難くさせ、ここに中央の優秀な抄紙技術が地方の民間へ伝播してゆく端緒を開いた。……

(平野)
5.16(金) 【海】の青い袋を持っておられる年配男性とすれ違う。閉店から7ヵ月余り、まだ大事に使ってくださっているとは。

5.17(土) 部外者のプーさんに新刊本を送ってくださる方がいる。ありがたく。ちゃんと読んで紹介いたします。

5.18(日) 娘から宅急便。読了本とタウン誌。ネタのないプー親父に提供してくれているのですが、読めるものと読めないものがありんす。

5.19(月) 【海】イベントについて新聞取材、くとうてんにて。F店長も実家の西播磨から。終了後、新出版社を間もなく立ち上げるIさん交えて昼飯。お仕事のみんなと別れて、おっさん二人で赤松酒店、ちんき堂。元町駅前で漫才してバイバイ。