2024年12月12日木曜日

上林暁 禁酒宣言

12.5 林真司『民際学者、アジアをあるく』(みずのわ出版)。経済学者・中村尚司(1938年生、龍谷大学名誉教授)と師、仲間たちの人となり、研究と活動を紹介。中村はアジア経済・農業調査、環境問題など「生命系の経済学」を提唱。「民際学」とは聞きなれない言葉。国同士の関係ではなく、人間同士の交流を社会活動の中心にフィールドワークを重要視する。「循環性の永続」「多様性の展開」「関係性の創出」を柱に次世代社会を考える。外国人労働者の支援にも尽力。

 大阪の編集工房ノアからPR誌「海鳴り 37届く。例年1回刊行だけど、今年は2冊目。

 京都の編集グループSUREから新刊書、鶴見俊輔『アメリカ哲学』2008年こぶし書房版復刊)着。




12.6 隣国権力者強権発動するも、市民は民主主義擁護の行動。軍も冷静。

12.7 本屋さん、家人の雑誌が目的。ちくま新書の新刊も出ていた。村上しほり『神戸――戦災と震災』2025年は神戸大空襲から80年、阪神淡路大震災から30年の節目。

12.8 「朝日歌壇」より。

〈半年で本の貸し出し五十回賢治に挟む褒美の栞 (相模原市)宮崎清美〉

〈十六歳の吾子の棺に忍ばせし『二十億光年の孤独』四十年過ぐ (成田市)鈴木喜代子〉

「朝日俳壇」より。

〈しゆんたらうくしやみをひとつゆきにけり (八王子市)額田浩文〉

12.9 孫電話。妹の幼稚園お遊戯動画でなごむ。姉はカゼ回復。

12.11 『新版 禁酒宣言――上林暁・酒場小説集』(坪内祐三編、ちくま文庫)1999年初版、再編集。

〈小生、この度感ずるところあって、酒を止めることにしました。断然止めたいと思います。〉

 表題作「禁酒宣言」の冒頭。上林は病妻もので知られる私小説の作家。戦後妻を亡くし、自らの酔いどれ生活を題材に連作。中央線最寄駅から家まで何軒も馴染みの飲み屋があり、都心で飲んでも帰り道にはしご酒。お店の女将に恋心を抱いたり、愛読者に遭遇したり。泥酔、乱酔、飲んで騒いで、醒めたら宿酔、自己嫌悪。飲んべはどなたも身に覚えあり。上林はすべてを告白するが、モデルのお店や女性たちはどう思ったのだろう。



(平野)