2019年1月7日月曜日

井伏鱒二『人と人影』


 井伏鱒二 『人と人影』 講談社文芸文庫 19902月刊 

随筆集、初版は1972年毎日新聞社より。
〈人生の途上巡り合った人々の、心に残る鮮烈な記憶と忘れ難いその風貌を、温もりのある自在の筆に綴る。〉

 兵庫区の古書片岡で古本初買い。文庫棚で見つけてめくっていたら、海文堂書店のレシートが出てきた。年月日〈90-02-08〉の印、元の所有者は出てすぐに購入。
 レシートが挟まっていたのは「旅中友人の災難」(『オール読物』昭和151月)のページ、「平野」が出てくる。丹波出身の作家「平野零児」。当時「平野」は新聞記者。共に旅した数々の思い出を書く。「平野」が様々おかしな災難に遭う。
 
 

 この「平野」、1921(大正10)年川崎三菱大争議の頃には毎日新聞神戸支局に在籍して取材していた。
 私が持っている文学史関連の本で調べる。
 宮崎修二朗の『神戸文学史夜話』(天秤、1964年)。

〈作家の平野雰児(引用者註、原文ママ)が「毎日新聞」の神戸支局へ赴任して来たのもこの年(引用者註、大正7)です。丹波の篠山に生まれた彼は、明治三〇年に御影(引用者註、現在神戸市東灘区)の平野家に養子として入籍したのでした。いわば彼は幼ないころからの神戸っ子だったのです。〉

 同じく宮崎の『環状彷徨』(コーベブックス、1977年)は他の作家と並べて、

……戦後中国から帰国して、『中共虜囚記』『人間改造』などで話題となった作家平野零児も篠山藩士の家に生まれた。〉

「平野」は井伏『ジョン万次郎漂流記』に資料を提供した人物。
Web「直木賞のすべて 余聞と余分」http://naokiaward.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/612193747-c4bd.html

(平野)