2021年5月13日木曜日

感染症と経営

 5.11 孫と家から少し離れた公園。ご近所の子たち、保育園の子たち、みんな孫より少し幼い。顔見知りなのか、初対面なのか、ママ友たちの輪が自然にできている。これも子どもたちの力でしょう。孫はめいっぱい遊ぶ。ママから、泥んこ遊びはダメ、と言われていても、砂場があればしたい。すべり台はお尻だけではなくて全身ですべる。当然服は汚れる。汗もかく。ヂヂはいつまで相手ができるかわからないけど、今いっしょに遊ぶ。


 清水剛 『感染症と経営 戦前日本企業は「死の影」といかに向き合ったか』 

中央経済社 2200円+税



私たちは医学、医療技術、衛生環境が進歩している世界に生きている。もちろんまだ解決できないこともある。

昭和戦前・戦後、「死」は現在よりも身近にあった。人の寿命は短かった。病であっけなく死んだ。戦争もあった。結核は死病だった。「女工哀史」の女性たちは劣悪な衛生環境・労働条件のもと、感染し、解雇された。使い捨てだ。彼女たちは故郷に戻り、そこで感染を広げた。本書で、軍が兵力となるべき男たちの健康を危惧し、おかげで労働条件が改善に向かった、と知った。皮肉な話である。

著者は「死の影」の下で、当時の企業が労働者、消費者、株主に対してどのような行動をとったのか、を振り返る。そのことから現在の企業はコロナウイルスにどう立ち向かうか、「ウイズ・コロナ」「コロナ後」にどう対応していけばよいのかを考える。

 「死」が身近だった社会を小説・映画など文化の面からも紹介する。また、経営者にも、将来の不確実性に備えて支出を減らし貯金する人と、自己満足のために浪費する人の2種類に分かれる、という。企業スポーツ発展についての考察・分析もユニーク。

 コロナウイルスは現在進行中、さらに変異していく。現代社会も先行きは「不確実」、私たちも「死」の身近にいる。多くの人は事故や病気が突然襲ってくることを考えているだろうか。コロナによって思い知らされた。

企業は存続していかなければならない。利潤追求だけではいけない。社会貢献、文化・芸術支援も大切。労働者、消費者、株主と新しい関係を構築し、労働者が気持ちよく働けて誇りを持てること、株主が応援してくれること、消費者に信頼され尊敬されることが重要。

(平野)ニュースで、国内主要企業の決算が報道されている。国内過去最高の純利益を上げたところがある一方、有名企業が苦境に陥っている。

コロナ禍で破綻した会社、個人経営の商店もある。まだまだ増える。