2023年11月9日木曜日

永瀬清子詩集

11.6 野球終了。虎組は強かった。おめでとう。選手並びに関係者の皆さん、応援の皆さん、38年分お喜びください。猛牛組も強かったけど、残念。

 本屋さんのレジ。隣のお客さんが店長さんと何やかや。途中から聞いたのだけれど、お店の万引き対策が一般客にとっては失礼、ということらしい。ヂヂは本を注文するのに時間がかかってしばらくの間そばにいた。お客さんは常連のようで、ヂヂも何度かお見かけしたことがある。口出しする立場ではないけれど、本屋にとって万引き被害は大きい。

11.8 4年ぶりに会社の管理人たちが集まる研修会議。海文堂元店長・こばさん、福さんはたまに会っているけど。休憩時間に明日本会飲み会相談。何の会議や? 終了してから福さんに「タイガースおめでとう」を言うのを忘れたことに気づく。

 岩波書店「図書」11月号〈追悼 大江健三郎さん〉。筒井康隆、尾崎真理子ら7名寄稿。

 


 『永瀬清子詩集』 谷川俊太郎選 岩波文庫 1050円+税



 永瀬は1906(明治39)年岡山県生まれ。父の仕事により金沢で育つ。幼稚園で中原中也と一緒(のちに知ったそう)。名古屋の女学校時代に「次第に詩を書くことを自分の仕事」と思う。結婚して大阪に住み、24歳の時最初の詩集『グレンデルの母親』を出版。戦争の時代を経て、戦後岡山で農業に従事し、子どもらを育て、ハンセン病施設で詩作指導。アジア諸国会議、母親大会、原水爆禁止世界大会、世界連邦、女性史研究会など社会活動にも参加。1995(平成7)年脳梗塞のため死去。

「流れるごとく書けよ」(『諸国の天女』河出書房 1940年)

詩をかく日本の女の人は皆よい。

報はれること少なくて

病気や貧しさや家庭の不幸や

それぞれを背負つて

何の名誉もなく

何年も何年も詩をかいてゐる

美しいことを熱愛しながら

人目に立つ華やかさもなく

きらびやかな歌声もなく

台所の仕事にもせいだして

はげしすぎる野心ももたず

花を植ゑたり子供を叱ったり

そして何年も何年も詩をかいてゐる (後略)

 選者・谷川の「はしがき」より。

〈永瀬さんは現実生活では苦労の連続であったとしても、そういう日常的現実だけに生きてはいなかった。娘、妻、母、農夫などの役割を果たしながら、永瀬さんは役割だけでは捉えられないグローバルな存在、もっと言えば無限定な宇宙内存在として自分では気づかずに生きたと思う。〉

(平野)