11.29 孫姉は熱出てダウン。妹はいっしょに遊べず退屈気味。ヂヂババ心配しても何もできない。回復を待つ。
12.1 孫姉は熱下がったよう。完全復活までもう少し。
12月。寒くなったが、暖冬予報。
■ 今尾恵介 『地図で読む戦争の時代 描かれた日本、描かれなかった日本 増補新版』 白水社 2100円+税 2011年初版。
地図も公的文書である。それが何らかの意思で書き換えられたり、あるべきものがないものとされた。非常事態の大義名分で権力はなんでもやってしまう。
本書のテーマは二つ。
〈地図で戦争の時代を読む/戦争の時代の地図を読む〉
蛇行する線路、きれいな円形の区画、広大な空き地、古い地図にあったものが消える……、地図から戦争時代の痕跡を読み取る。
国家は情報を統制し、嘘の情報を地図に掲載した。他国を侵略し、人びとに日本語を強制して地名も日本風に変え、日本語の地図を作った。戦争に負けて、占領時代の地図には、空襲による焼け野原、占領軍の施設があちこちに描かれる。
地図は人間が測量して作る。情報は一枚の紙に大きな縮尺により記号で示される。後世の人間が地図を見て嘘の情報を読み取ってしまうかもしれない。また、爆弾を落とす側は高い場所から施設・建物を壊す。現実には下に多くの人がそれぞれの暮らしをして生きている。
井上ひさしの小説で1分の1の地図を作る話がある。現実と全く同じ縮尺の地図。馬鹿げた話だが、深い意味がある。
今も権力は歴史的事実を歪曲する。各地で戦争が起きている。
著者は中学生時代から地形図に親しむ地図オタク。「一地図マニア」の視点で戦争のさまざまな側面を書く。
「地図も『ウソをつく』」。
(平野)