2024年4月25日木曜日

熊楠さん、世界を歩く。

4.24 久しぶりの孫電話。姉は学校疲れか、寝起き。妹は先に晩ご飯食べたのに、姉と一緒にまた食べる、とごねる。

 連休が始まる。ヂヂはなんにも予定ないが、臨時仕事は入ってくる。家人たちはそれぞれ忙しそう。

 

 松居竜五 『熊楠さん、世界を歩く。 冒険と学問のマンダラへ』 

岩波書店 2300円+税



 著者は1964年生まれ、龍谷大学国際学部教授、比較文学。南方熊楠研究は30年に及び、南方熊楠顕彰館館長。親しみ込めて「熊楠さん」と呼ぶ。また、熊楠の漢文調文章を現代風に訳し、幅広く学際的な熊楠の研究をわかりやすく説明する。

……熊楠さんという人は、宇宙のすべてを対象としながら、「楽しさ」のために学問をしていた人だと考えれば、とてもわかりやすいところがある。熊楠さんにとっては、学問的な制度や分野や枠組みは二の次だった。その時、その時の、自分の好奇心がおもむくままに、楽しみを宇宙から「心」に取り入れていただけだ。(後略)〉

熊楠といえば、博覧強記の奇人変人のイメージが強いが、子どもの眼、好奇心を生涯持ち続けた人だとわかる。

目次から。

「神童クマグス」、江戸の図鑑に夢中になる

図鑑をフォークロアとして読み替える

博物学をこころざし、ダーウィンの進化論に驚嘆する

アメリカに向かう船上でワニについて聞く

サンフランシスコでニワトリの鳴き声に悩まされる

ミシガン大学博物館で奇妙な動物の剥製を観察する

ロンドン動物園で生命に対する思索を深める

ピーター・ラビットの作者とニアミスする

「南方マンダラ」の構想からエコロジー思想にたどり着く

…… 

(平野)私が本屋新米時代、本店の人文書棚に『南方熊楠全集』(平凡社)が並んでいた。担当はマツさん。私は何の本かわからないし、書名すら読めない。みなみかた? なんぽう? くまくすのき? その後、中途入社してきたシラさんに教わって、『南方熊楠随筆集』(筑摩叢書)を読んだ。