2023年8月24日木曜日

西村貫一ゴルフ文献総目録

8.20 「朝日歌壇」より。

〈知る事は引き受ける事小説を読めば始まる大江ワールド (筑紫野市)二宮正博〉

「朝日俳壇」より。

〈夏の日の海岸通りカフカ読む (東京都)吉武純〉

 

8.23 仕事夏休み。西村貫一の文献を求めて国立国会図書館関西館。京都府相楽郡精華町。たぶんヂヂはもう来ないだろうなあ、という場所。JR東西線祝園(ほうその)駅からバス。「祝園」は日本書紀に遡る地名で、古代戦乱の大量戦死者にちなむ。



事前にオンラインで閲覧と訪問日を予約。内容をザーッと見て、コピー希望ページを申請。コピーのルールを教えてもらい、コピー機を始動させる器械を渡される。終わったら、申請通りコピーしたかチェックを受けて、料金を支払う。

本は貫一が蒐集したゴルフ文献書誌。

A BIBLIOGRAPHY OF GOLF BASED ON THE COMPILER’S

 PRIVATE COLLECTION OF GOLF LITERATURE

BY KWAN-YICHI NISHIMURA

Privately Printed and Published by Masamori Nishimura

47 Sakaemachi 3-chome, Ikuta-ku Kobe,Japan



 




限定100部(本書はNo.49)、サイズ 31×24cm、本文942ページ(著者・書名索引含め千ページ超)。収録書530冊の書誌を紹介。定期刊行物、歴史、ゴルフ場、クラブ史、ミニゴルフ、絵画、文学・詩・随筆など分類。旧所蔵者名も記載。

奥付なし。貫一次男・雅司(まさもり)の序文の文末に「197425日」とあるので、出版年を同年とする。

 雅司序文のみ日本語(英訳もあり)。

 イギリス人コレクターのアーサー・ジョン・タイトが序文を寄せる(1934年6月)。1935(昭和10)年頃、貫一と蔵書リストを交換し合った。タイトは、貫一蒐集の方が優れている、と貫一未所有書を寄贈した。

〈日本の軍国主義化が進み、戦いの足音が近づくにつれ、ゴルファーたちもいろいろな統制を受けた時代に、父は何の制約も受けずにこのビブリオグラフィーの完成に約10年の歳月をかけ、1本の指でタイプライターを打ちつづけていた。/その間、昭和12年(1937)には、アメリカから帰国した中島凉氏という語学に堪能な良きアシスタントを得、数年後の昭和18年(1943)頃にこの原稿の校正・補遺を終了したのである。〉

 貫一生存中(1960・昭和35年没)に刊行ならず、長男雅貫(がかん)が引き継ぐも急死、雅司が遺志を継いだ。英語学者・伊藤鎮が協力。

 印刷では校正ミスなど生じる恐れあり、と写真製版。貫一の直し、訂正、抹消の線引き、注などそのまま残してある。世界主要国の国立図書館に寄贈した。

(平野)