8.31 元町原稿「西村旅館」関連で、大正7~8年神戸で西村貫一が発行した芸術・文学雑誌「アンティーク」を調べている。これまで兵庫文学史の本には紹介されていない雑誌。創刊号がいきなり発禁になっている。
8月も終わりだが、まだまだ暑さ厳しい。皆様、お身体大切に。
■ 髙田郁 『契り橋 あきない世傳 金と銀 特別巻(上)』
ハルキ文庫 700円+税
昨年夏完結した人気シリーズの特別巻。多彩な登場人物から4人を主役にした短篇集。
「風を抱く」 五鈴屋当主ながら出奔した惣次が江戸で再登場した時は驚いた。その惣次がどのように両替商としてのし上がったのか。
「はた結び」 五鈴屋江戸本店(ほんだな)支配人・佐助の恋。
「百代の過客(はくたいのかかく)」 当主・幸を支えるお竹が老いを自覚、引き際を考える
「契り橋」 五鈴屋の元大番頭・地兵衛の息子で幼い時から幸に仕える賢輔の秘めた思い。
本篇愛読者は気になっていたであろう物語とその後。登場人物たちもそれぞれ歳をとる。下巻では誰を取り上げるか。
でもね、やっぱり著者のサディストぶりは不変。惣次の女房と義父、佐助の過去の恋人を天に召す。