2024年3月12日火曜日

本屋のミライとカタチ

3.10 「朝日歌壇」。

〈新しき地図買いにゆく新しき生活(くらし)始める子の住む町の (高槻市)藤本恵理子〉

〈白樺の根方に古き辞書を埋め学寮去りぬ帰国の朝に (羽村市)竹田元子〉

『みすず 読書アンケート 2023 識者が選んだ、この一年の本』 みすず書房編・発行800円+税)

 昨年まで「月刊みすず」年初号で刊行。同誌休刊により、書籍扱いで引き継ぐ。今回は139名の識者が回答。だいたい皆さん1ページくらいで答えているけれども、3ページ、4ページと力の入る人がたくさん。ヂヂは専門書に手が出ないけれど、56冊読んだ本あり。読めそうな本を数冊メモ。

 


3.11 東日本大震災13年。災害はどこにでも起こる。10日は東京大空襲から79年。日本中の都市・市民が焼かれた。黙祷。

 関係各所に「陳舜臣」図版資料転載をお願いする。神戸華僑博物館から編集担当の業界新聞社を教えてもらい、そこから著作権所有の商社に繋いでいただいた。皆さんのご助力・ご協力に感謝。

 北田博充編著 『本屋のミライとカタチ 新たな読者を創るために』 PHP研究所 1700円+税



 著者は梅田蔦屋書店店長。本屋閉店が続く。年々本の売り上げは減っている。本は、本屋は、これからどうなるのか。著者は、業界が内向きで、内側からしか考えていない、と思う。遠回りだが、「本屋とは何か」と問い直すことから始める。

本をよく読む人、本屋の顧客だけではビジネスは成り立たない。新しい読者を開拓し続けなければならない。著者、出版社、取次会社、本屋は「狭義の本屋」。図書館、教師、書評家のほか、本を紹介したり、魅力を伝えてくれる人たちなど、本への入口を広げてくれる人たちは「広義の本屋」だ。SNSで発信して若者の支持を得ている人もいる。「狭義」「広義」どちらも重要な仕事。そして、他業界で入口を広げる手法を実践して成功している人に訊いてみる。

 インターネットやSNSで情報も娯楽も満喫できる時代。街中でも電車内でも、立っていても座っていても歩いていても、多くの人がスマホに見入っている。紙の新聞や雑誌・本を読んでいる人は数えるほどしかいない。紙媒体はすぐには消えないだろうけれど、確実に減少する。それでも現役書店員は紙の本・雑誌を販売していかねばならない。経済生活のためだけれど、それ以上に本と本屋が好きだから。本屋の未来を明るくするために、できること・するべきことを提案する。

(平野)引退ヂヂイは本を買うことしかできない。現役の人たちにあがいてもがいて本屋を開き続けてもらうしかない。