2024年3月14日木曜日

飛ぶ男

3.12 お彼岸前に墓参しようと思ったが雨、週末に延期。花壇のさくらんぼの花散る。

3.13 ヂヂ帰宅前に孫電話あったそう。春休み神戸に来るとのこと。やかましい、うるさい、さわがしい、ドタバタ姉妹と過ごせる。ヂヂバカちゃんりん。

 よそ様のお子さんのこと。先日紹介した小さな詩人ちゃんの姿がSNSにあり。おしとやか。

 古書タカさんから神戸文学の資料届く。毎回ありがたく。


 安部公房 『飛ぶ男』 新潮文庫 590円+税



 1993年安部公房急逝後にフロッピーディスクから発見された遺作、未完。94年単行本化のときは夫人が加筆改稿したそう。今回元原稿のまま文庫化。

 夏の日の早朝、「人間そっくりの物体」が飛行。気球か、ハングライダーか、低速で正確な直線飛行。人間? 夢遊病者? 裸足、パジャマ風の着衣、眠っているわけではなさそう。携帯電話で話している。

〈どうやら《飛ぶ男》の出現に立ち会ってしまったようである。〉

 目撃者は3人。一人目は29歳独身女性、男性不信、護身用に空気銃を常備。《飛ぶ男》を撃つ。二人目は暴力団員、持病のため利尿剤常用、明け方の尿が習慣。通報の義務を感じるが、社会奉仕は似合わないと放置。三人目は不眠症の中学教師、《飛ぶ男》の電話相手、腹違いの兄弟らしい。話の中心は《飛ぶ男》と三人目の関係、一人目が絡む。二人目はどう登場する予定だったのか。

 本年は安部公房生誕100年。来月も未発表作品と全集未収録短編を収録した文庫発売。映画「箱男」公開予定。

(平野)